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小説

【小説】姉飼/ホラー小説大賞受賞作品。あまりにも異様で強烈な世界が癖になります。

2016/10/24

こんなにまず読んでくれ! と言うしかない作品も珍しい

主人公が暮らす田舎街では「脂祭り」という祭りが行われています。そこの縁日で売られている「姉」に主人こは子供の頃に魅入られ、それを手に入れるために道を踏み外していく話です。

姉飼/遠藤徹

わー、説明すると陳腐……かつまったくこの作品の魅力の説明になっていません。語彙力プリーズ。
そもそも「姉」ってなんじゃい、って感じなんですが、縁日で串刺しで売られているっていう謎の存在でして、なかなかにいかがわしい雰囲気です。

第10回日本ホラー小説大賞受賞作品です。
なんとも説明し難い作品で、あらすじの説明すら意味がないような気がします。この作品の魅力はストーリーとかそういうことではありません。

収録されている作品全部がぶっとんでいる

「姉飼」は短編で、表題作以外に3編収録されています。
どの作品も共通するのは「この世界はいったいなんなの」とわけがわからなくなります。でもグッと引き込まれる不思議な魅力を持っているのです。

特に最後に収録されている「妹の島」もぶっとんでます。読んでいて匂いを感じる小説って珍しいですが、これは数少ない作品の一つでしょう。咽せるような果実の匂いとそして蜂の羽音。なんとも言えない読後感を得られることは確かです。

この作品がホラー小説大賞になったことに驚きます。
あまりにも異様だからです。このテの賞ってある種まっとうなものが選ばれるものだと思っていたので。ホラー小説大賞でまっとうって変な言い方ですけどね。

作品としての魅力は最高にあるんですが、「大賞受賞作です!」といって出版されるもののイメージじゃないんですよ。
たまらなくいかがわしい……。でもそこがすごくいいんです。

姉で始まり妹で終わるこの短編集、当たり前のホラー小説に飽きたらぜひお手にとってみてください。

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