つぶらいん

本や映画のレビューを中心にしつつ、ぼっち&出不精生活を満喫する管理人の日常のブログです

読書について

「かつくら」がわたしの読書の幅をぐんと広げてくれた。

「活字倶楽部」をご存知でしょうか

女性向けの小説ファンブック、とでも言えばいいのかな。作家のインタビューや特集をベースにしつつ、読者投稿を大きく扱い、編集、ライター、読者が一緒になって盛り上がってる雑誌です。

いや、読めば分かる。愛がすごく重いんです。ええ、本に対する愛が。

本を紹介する雑誌というと「ダ・ヴィンチ」が1強というイメージでしょうか。文芸誌なんかとはまた違うものですし。
さて、その「ダ・ヴィンチ」のライバル(?)と言っても過言ではないのがこの「かつくら」です。

元々「活字倶楽部」という名前だったのですが、何年か前にリニューアルで愛称だった「かつくら」が雑誌の名前になったのです。わたしが絶賛高校生だったころに出会ったのは「活字倶楽部」時代です。別冊ぱふだった頃ですね。ウワー懐かしい!

読書仲間がいなかったわたしのフラストレーションが発散される場所

わたしが活字倶楽部きっかけで読んだ作家さんは数知れず。

女性向けの小説ファンブックで「北方謙三特集」ですよ。すごくない? 割と、というか大分オタク向けの雑誌なのに! 女性向け雑誌なのに!
「ブラディ・ドールシリーズ」がすごく流行ってたんですよ。かつくらの中で。本好きがみんな盛り上がってる、しかも自分と割と読書傾向の被る人たちが……と思うと手に取りたくなるんですよね。投稿はがきの熱さにやられるんです。

かくいうわたしもかつくらきっかけで高村薫の本を読みましたから。
わたしは周りに本好きがまったくおらず、姉ぐらいしか読んだ本の話ができなかったんです。今ほどネット環境もなかったですしね。ポケベル時代だ。わはは。
で、そこで読者の熱い投稿で紹介される作品群。超読みたくなるんですよ。

同年代かどうか分かりませんが、オタクというのは年齢関係なく繋がれるんですよね。「この本最高!!!!」と叫ぶ心が紙面を通して繋がって行くのを感じます。一読者で投稿なんてした事がありませんでしたが、それでもここに沢山仲間がいる、と思える雑誌だったんですよ。

高村薫特集のときなんて紹介文とか投稿はがき見ながら、首が引きちぎれるぐらい頷いてましたからね。高村薫作品に関しては、文庫化されてもハードカバーを手放せない、という共通認識がありました。
「我が手に拳銃を」と「李歐」は違いすぎてビックリしましたからね。どっちも好きだけど……。「我が手に〜」の方で好きなシーンがあっていまだに手放せないんだよ。

文庫化じゃねーよ! パラレルワールドか!?と突っ込みたくなりましたね。

とまぁこんな感じでかつくら的あるあるが沢山あったんです。「黄金を抱いて飛べ」の文庫版の大事な一言の加筆、とか(笑)。かつくら本誌でも強調されてました。楽しい雑誌です。

ちゃんとホラーも特集してくれていた

かつくらのすごいところは、ガチガチの文学から児童書、ハードボイルドにアクション、海外文学、少女小説にライトノベル、BLまですべて同じ土俵で語られるってところです。

買い始めた頃に巻頭でホラー特集がありました。これが本当に役に立った。
わたしはこの特集でクライヴ・バーカーを知り、小野不由美の悪霊シリーズを知ったんです。

クライヴ・バーカーの「血の本」、篠田節子の「神鳥」、シャーリー・ジャクスンの「暗い森の少女」、リチャード・マシスンの「地獄の家」「地球最後の男」……手帳にびっしり読みたい作品をメモって本屋や図書館に走りましたね。あの特集は本当に秀逸でした。入門という意味でも、メジャーをしっかり押さえつつ読者層としてどうなの、という感じの上級者向けのバーカーを突っ込んでくる。すばらしい。多分紹介されていた物は全部読んだと思います。そのぐらい読書熱を煽る紙面だったんですね。

わたしの大好きな異形コレクションも特集されていたんですよ。これもかつくらきっかけ。
赤江瀑とか、佐々木丸美なんかは絶版も多かったんでかつくらを読んでいなかったら知らないままだったろうなぁと思います。出会いがたくさんありました。

毎号出るたびに欲しい本が増えて大変でした。20代半ばで一時読書熱が落ち着き始めるまで買っていました。
今は新しい作家さんを追いかける熱量が不足しているので、買わなくなってしまいましたが、今もしっかり刊行されているようで嬉しい限りです。

きっと変わってないだろうな、あの熱量。

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