つぶらいん

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【本】「他人を攻撃せずにはいられない人」片田珠美/理不尽をただ受け入れてはいないか?

わたしにしてはめずらしく新書です。
タイトルに惹かれてちょろっと立ち読みしてみたら、スーッと入ってきて止まらなくなったのでお買い上げです。リアル本屋の価値はこういうところにあるのです。

誰しも大なり小なり人間関係に悩みを持っている

生きていると理不尽な圧をかけられる経験は誰しもありますよね。
ここに書かれているたくさんの例は、どこかで見た事のある光景なこともあれば、自分が実際に経験した事のある出来事も少なくありませんでした。
個人レベルでは細分化される悩みも、体系的に分類するとある程度のカテゴリにおさまるものです。
この本がベストセラーなのも、「やたらと攻撃的な人」だったり「身近に潜在する敵」のような人が周囲にいて悩んでいる人がいるということなのでしょう。
実際わたしも、この本を手に取ったのは過去にタイトル通りな上司がいたからと、家族関係で少し思うところがあったからです。

このタイトルでちょっと自分の悩みに引っかかるものがあったら、読んでみて損はありません。

理不尽だと思いつつも受け入れてしまう精神構造

「攻撃的な人」というのは、受け手側からすると非常に迷惑でもあるのですが、この本ではその理不尽を受け入れてしまう側の心理についてもスポットを当てています。
「攻撃的な人」がのさばりやすい環境と、カモにされやすい人についてなどです。

実際の例を読むと客観的に見ると「なんで逃げないんだろう」「どうしてこんな理不尽な仕打ちに耐えているの?」と思うのですが、いざその場面になるとなかなか厳しいものです。
実際わたしも過去の威圧的な上司に対しては「嵐が過ぎ去るまでそっとしておく」タイプでした。機嫌の上下が激しいため、向こうが話す気になる空気を必死に探っていました。
性格の合わない家族も、一緒に暮らしていた頃は激高されるたびに「そっとしておく」という選択肢のみでした。理不尽だと感じつつも「仕方がない」と考えていたんですね。

受け入れる側が甘んじて受け入れるからこそ、攻撃する側も「こいつは攻撃してOK」というとんでもない安心を得てエスカレートして行ってしまう。悪循環なんですが、その場になるとそれが最善に思えたり、むしろ「自分が不愉快な想いをさせてしまった」なんて考えちゃったりするから不思議です。

今思うと本当になんで我慢ばっかりしてたんだろうと不思議です。

攻撃的な人たちの「理由のなさ」を再確認する事で得られる安心

とりわけ、第4章がわたしは納得するところばかりでした。
現在ぼんやり浮かぶ攻撃的な元上司がことごとくこれに当てはまりまくっていて、もう笑っちゃうぐらいです。行動パターンが本当にそうで、モデルじゃねーの?と疑うぐらいでした。

あそこまでの人はレアケースだと思ってたんですが、こう分析が出来上がるぐらいにはサンプルがあるって言う事なんですよね。それを考えると世の中こんなのがまだごろごろいるっていうことになるので、それはそれで恐ろしいな、と。

攻撃されると、「自分が悪かったのではないか」「自分に理由があるのではないか」とつい考えてしまいがちです。
でも考えても考えても理由が分からない。でも向こうはどんどん攻撃してくる。問いつめるとはぐらかされて……となると混乱するばかりです。

この4章ではある結論がもたらされます。
強烈な自己愛、支配欲、ねじまがった自己正当化。
こちらがどうであっても、彼らは攻撃してきます。そこにまともな理由はありません。

消極的なようで、なかなか攻撃的な最終章

さて、そんな攻撃的な人たちにはどう対処すればいいのか。そこが問題ですよね。
最終章では「処方箋」としてかわし方、逃げ方、自分の守り方が示されます。
そう、「かわし方、逃げ方、自分の守り方」なんですよ。

彼らとまともにやり合ってはいけないのです。決して変わらない相手に正攻法で戦いを挑んでも、すでに目の曇った自己愛の塊のような相手に刃が届くわけがないのです。
だとしたらこちらが向こうの牙の届かない場所へと距離をとるのが最善なんですよね。そして、それがこっちも傷が最も浅いといえなくもない。

ただこの最終章はそれだけにとどまりません。ただ逃げるだけではなく、静かな反撃の方法も示唆されています。

読みやすいので一気にいけます

実際の例を交えつつ、攻撃的な人のパターンを教えてくれます。
人間関係の事ですから、スパンと割り切れる回答はありません。ただ、自分の心のもちよう、相手への観察など、悩んでいるのであれば生かせる要素がたっぷりあります。
実例の多さは、自分の出くわした相手がそうそう珍しいものでもない、ということが分かるだけで安心します。
解決方法を探る上でも役に立つのではないでしょうか。

同じ作者の方の他の著作も気になったので、また読んでみます。どれも面白そう。

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