つぶらいん

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【本】「やりがいのある仕事という幻想」森博嗣/固定観念を捨てれば楽になる

身も蓋もない文章が救いになる

森博嗣さんの本にであったのは高校生の頃でした。小説から読み始め、最近は新書を読む方が増えてきました。

どこか突き放した印象を受ける事もある文章は、不思議と読んでいるとある種の癒しになります。
森さんの考え方はわたしにとっての常識から随分とズレたところにあります。そのかけ離れた部分がとても魅力的で憧れるのです。少なからず影響も受けているでしょう。

タイトルから分かる通り、この本は仕事について悩んでいる人に向けて書かれた本です。
ただ、森さんの本を読んだ事のある人なら大体想像はつくと思うのですが、よくある今の世の中に対する批判的な本ではありません。かといって仕事に悩む人に対してエールを送っているわけでもありません。

「仕事」に対して悩む人の根本的な考え方に対して、ちょっと違う目線、考え方をもたらしてくれる本です。

こんな感じの構成

目次はこうなってます。

まえがき
第1章 仕事への大いなる勘違い
第2章 自分に合った仕事はどこにある?
第3章 これからの仕事
第4章 仕事の悩みや不安に答える
第5章 人生と仕事の関係
あとがき

どの章も森さん自身の分析、考えで語られています。
作中で「自分は専門家ではない」とおっしゃっていますが、大学の教官として長年勤め、多くの学生を見てきているので、生きたサンプルは沢山見ていらっしゃるのだと勝手に考えています。
沢山の学生に接し、就職活動にも携わっていたでしょうから、リアルに悩む学生友接した経験も少なくないでしょう。

本の中で、仕事に希望がない、という相談に対して、「希望を持って仕事に取り組むという事が幻想」と答えています。
突き放したような書き方です。ですが、森さんの言葉は当たり前の現実を言ってくれているだけです。わたしたちがつい幻想を抱きがちな部分、やれ「夢」とか「希望」とか「やりがい」という漠然としたキラキラする表現をずばっと「幻想」と言ってしまう。
それが身も蓋もないと感じるところではありますが、そもそも仕事ってそういう幻想的な話でもありませんからね。

著者のこういうところが好きです。ええほんとうに。

現在進行形で、「やりがいのある仕事」という押しつけは感じていたので、抱えていた違和感がスルッと言語化されてちょっとすっきりしました。

いつの間にか染まっている「みんな」と同じ価値基準

世の中には様々な固定観念があって、そうと気づかずに自分も染まっていたりします。それにハマらなかった自分はダメなんじゃないか、と考えてしまうことはよくあります。
世間がこうだから、みんながこうだから、世の中はこうすると評価してくれるから、ということにこだわり、捕われすぎて生きていく事が辛くなってしまう。他人の評価や価値基準に惑わされていると、何も選べなくなります。

こうした本を読む意義は、やはり自分の考えと違うことを聞きたいからだと思うんです。
わたしは森さんの考え方や生き方に共感したり、憧れを抱いたりしていますが、実生活でここまでスパーンと物事をぶった切れない。接客業には向いてない、とグダグダ言いつつも10年以上勤めています。
そうやって自分を騙し騙し生きていると、時々感情の行きどころがなくなってしまったりします。

そんなときに森さんの本を読むとスーッと落ち着くんですよね。不思議なもので。
こう割り切れたらいいのに、と思いつつ日々グダグダしているので、とうてい役に立てているとは言いがたいです。ただ、モヤッとした言語化しにくい自分の感情の持って行きどころが見えてくるのです。

もう30も半ばだというのに、自分の考えや行動に自信を持てません。なにをしても不安でつい「一番安全と思われるもの」を選んでしまいます。そしてその選択に微妙に後悔してしまったりして。

そんなふらふらした考えをしていると、森さんの一貫した考え方にすごく憧れるんですよね。自分になにが大事なのかがよくわかっていて、物事を判断する基準が明確なんでしょう。自分の軸がしっかりしている人の本は多くの学びを与えてくれます。

それは自分がどう生きて行きたいかを考える上で、自分の軸がどこかっていうのはすごく大きいです。そこがふわっふわしているから自身がない生き方しかできないのかな、と思ったのでした。

小説以外も面白いよ! 著者の思考に触れる本

森博嗣さんには多くの著作がありますが、わたしのおすすめはこちらです。

森博嗣さんのブログを書籍化したものです。これが本当に面白い。森博嗣ファン必読の書です。分量が膨大なので読むのに時間がかかりますが、ブログなので、その日の気分でぱらっと開いて読んでも良いんじゃないでしょうか。時間軸とか関係ないからね。
ファンだと「あ、これ書いてる頃かぁ」というのが分かってなおいいです。

もともと作品のファンでしたが、これを読むと作家、森博嗣にもっと興味が湧くでしょう。

 

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