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映画 邦画

【映画】輪廻/「呪怨」の清水崇監督が描く、断ち切れない輪廻の物語。

2016/07/25

あらすじ

実際に起こった映画事件を元にした映画「記憶」。あるホテルに宿泊していた家族の父親が、自分の家族、従業員、宿泊客を次々に惨殺したのです。犯人である父親は事件後に自殺し、その動機などは一切不明でした。

その映画の主演に起用されたの主人公の杉浦渚はオーディションに参加してから、見知らぬ少女を頻繁に見かけるようになります。さらに、白昼夢のようなもので頻繁にあるホテルの幻影を見るようになります。

映画の主演に抜擢され、被害者である少女を演じることになりました。その少女は、渚が頻繁に目撃していた少女だったのです。
渚の不安をよそに、撮影の準備は順調に進み、ついにクランクインするのですが……。

優香の熱演に注目。

輪廻

2005年 日本
監督:清水崇
出演:優香、香里奈、椎名桔平、杉本哲太、松本まりか、小栗旬

前世に捕われた彼らはその運命を辿るしかないのか

タイトル通り、輪廻転生、前世を題材にした映画です。
呪怨シリーズでもありましたが、登場人物たちそれぞれの運命を描きます。今作は主演の優香演じる渚、香里奈演じる大学生の弥生を軸にして、それぞれ別方向から惨劇の真実を描きます。
普通の映画だと一方向からだったり、渚と弥生がどこかでリンクして一緒に謎解き、なんて展開になりがちですが、そこは清水監督、ガッツリ別軸で描いていきます。その分、ふたりのたどる運命が重なったときの「なるほどー!!」がなかなか衝撃的です。

こういうのだよ! こういうのがいいんだよ!

※ネタバレ含む感想です。ご注意! 予備知識ない方が楽しめる映画ですよ。

人形怖すぎ! 壊れてなくても子ども泣くだろレベルの気持ち悪い

廃墟となったホテルといい、残された遺品の人形といい、不気味さMAXです。
とくにこの人形。殺害された娘が最後まで持っていた遺品なのですが、壊れてなくてもコエーよ!ってレベルに不気味。こんなの子どもの頃に渡されたら速攻で押し入れに封印だよ全く……。SAWのあの人形なんてかわいく見えるレベルに不気味ドールです。
ポイントポイントで登場するんですが、ぶっ壊れた状態もかなりですが、元の状態も、「なんでこんな目、離れてるん……?」と聞きたくなる造形。ああいやだ……。

主演、優香がすごい!

優香がすごいんです、この映画。
映画の主演が決まって喜んだのもつかの間、進行して行く映画と、自分が見る夢がどんどん繋がり、白昼夢が酷くなる。不安でいっぱいなのに、なぜかあらがえない不可解さ。そういうものが全部あの結末で腑に落ちる。
いち被害者ではなく、加害者である博士の転生なわけだからこそ娘のあの視線、あの行動が理解できるんですよね。
渚は可哀想だけど、博士の魂に刻まれてしまった以上仕方がないところ。
訳が分からず怯える渚と、最終的には博士と同化してしまった渚とでの表情の落差。見所です。

その辺のアイドル映画のヒロインとは訳が違います。いや、これは女優、優香のすごさですね。バカ殿とかさまぁーずと一緒に出てるイメージ強すぎてあんまり女優的印象がなかったんですが(ごめんなさい)、どんどん憔悴し、過去の記憶に飲込まれ、最終的に発狂してしまう過程生々しい。

優香を抜擢した監督演じる椎名桔平は、全く無自覚にこの映画にのめり込んでいます。
オーディションから渚に何かを感じ抜擢し、彼女のへの演出の熱の入りようは妄執じみてて不気味にすら感じられます。
ただそれも、彼の無自覚な過去の記憶のなせる技、となると悲しい。
彼についてはもうちょっと掘り下げてくれてもいいのに……とは感じました。ちょっと唐突感はあるんですが、被害者たちは割と唐突に日常から連れ去られるので、それはしょうがないのかなー。

ちなみに、過去の事件の被害者として「呪怨」の伽倻子さんでおなじみの藤貴子さんが出演してらっしゃいます。白ぬりがメジャービジュアルすぎて言われなきゃ気づかない(笑)。伽倻子の定着っぷりが異常。

被害者も加害者も逃れられないっていうこの状況まじ地獄。

魂は生まれかわっているのに、怨念で成仏できないって、それ魂自身が分断されているんでしょうか。それとも怨念だけが残り、それが輪廻した魂すら引き寄せるほどに過去が刻印されているって言うことなんすかね。

ラストシーンの生き残った奥さんの行動はなんかこう、彼に対する憎しみの深さを感じるますね。
子どもを奪われ、自殺した夫は大量殺人犯。自分も殺されかけたとはいえ、生き延びた苦悩は計り知れません。
犯人である夫の残したノートを読み解き、彼は狂っていたわけではない、と結論を出したときはやり場のない感情がうずまいただろうに……。いや、この奥さんの存在がこの映画のポイントの高さですね。

清水監督はやっぱりすごい。7500ボロクソに言ってごめんだけど、ほら、あれは清水監督脚本書いてないからね。

邦画のホラーはアイドル化とか、実録系DVDの台頭で観る気なくしてたけど、やっぱり面白いものは面白いんです。
これを機にもうちょっと掘ってみるかな……。一時期、かなりいい感じになってた邦画のホラー界ですが、1度ブームになってしまうとネタ化がすすんで残念なことになっちゃうんですよね。
実録ものを楽しめればいいんでしょうが、あんまり好きじゃないんですよああいうの……。ストーリーが欲しいの! 物語が観たいの!

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