つぶらいん

本や映画のレビューを中心にしつつ、ぼっち&出不精生活を満喫する管理人の日常のブログです

漫画

【漫画】プリンセスメゾン/おひとりさまとマンション購入。自分が生きる場所を考える。

2017/01/23

主人公の沼越さんのお話を中心に、東京で働くおひとりさまの暮らしにクローズアップした漫画です。

メインは主人公の沼越さんなんですが、他にも様々なおひとりさまの女性たちの暮らしを描いています。暮らす場所の心地よさは自分で作っていくものだよなぁとしみじみ思います。登場する人たちの生き方の多様さがいいですね。

静かでありながら強さを感じさせる登場人物たちの姿にはあこがれます。
ひとりで生きることにしんどさを感じたことがある人にはぜひおすすめしたい作品です。

あらすじ

おひとりさまの沼越さんは自分が暮らすための家を探しています。
不動産屋のモデルルームの見学に頻繁に通い、自分の求める条件を探しているのでした。
ある日、沼越さんが勤める居酒屋に不動産屋の受付をしている要さんに出会います。それをきっかけに親交を深めるようになります。

プリンセスメゾン
著:池辺葵

徐々に築かれていく沼ちゃんと不動産屋の人々の関係性がいい!

沼ちゃんの職場(居酒屋)で不動産屋の要さんと出くわしたことをきっかけに、不動産屋とお客さん、という立場をちょっとだけ逸脱していく関係はとても微笑ましいです。

わたしにとっては、なにを考えてるかよく分からない印象だった沼ちゃんだったんですが、要さんを自分のアパートに読んでお茶をするお話でぐっと掴まれました。不動産屋の人々が沼ちゃんといっしょに家を探すのが分かりますね。

沼ちゃんのために、条件に合う物件を探して資料を作る伊達さんは、仕事人間のように見えます。
自分の家を探す沼ちゃんへの共感があるように感じられるんですよね。無表情なのに。

無邪気な阿久津さんの無邪気な空気読めなさ具合も、普通の漫画のキャラだったらイライラするだろうに、こういう素直な子も分かりやすくていいよね、と思っちゃう不思議。要さんの冷静ないなしっぷりが面白いです。

沼ちゃんは、ちょっと変わったお客様の部類だと思います。

ひとりでひたすらモデルルームの見学をしまくって情報を集める研究熱心さをもっているひとはなかなかいないでしょう。
内覧で気に入った設備を見たときの沼ちゃんのほわわわわ〜となるところがすごく可愛いんですよね。

それを優しく見守る不動産屋の面々がいいんですよ。みんながそれぞれの反応で沼ちゃんを受け止めている感じで、お客様と従業員ではあるんですが、人より余分に親切にしたくなる気持ちがわかります。

おひとりさまが家を買う

女性のおひとりさまへの風当たりはまだまだ厳しい物だな、と思います。
人はひとりでは生きてはいけないけど、それはおひとりさまでは生きていけないということではないのです。ここで描かれる女性たちの姿を見ていると、暮らし方は様々でも部屋というのは充電の場所なのだなということ。生活のスタイルはみんな違います。時には近隣の住人や職場の人々とから余計な詮索を受けたり、勝手な思い込みのような噂話をされたりもします。

でも、結局自分がどうしていきたいかということなのです。

沼ちゃんのエピソード以外にも、様々なおひとりさまの女性たちの暮らしが描かれています。
自分の世界を貫く人、どこか満たされない物を感じている人、これから住むところを探している人、などなど。

外部からはうらやましがられたり、寂しいんじゃないかと勘ぐられたり、何してる人なのかと不審に思われたりと、色々あります。わたしは時折描かれる年配の方々の確立された暮らしぶりが好きです。1巻に出てきた漫画家さんや2巻に出てきた染色アーティストさんとかですね。

ブレずに自分を見つめて住む場所を決める人々の姿は凛としていて憧れるものがあります。

今まで家を買いたいとか、この町にずっと暮らして行くのか、なんてあまり考えたことがありませんでした。
家を買うということは、住む場所を決める、そこに定住するということです。それを見据えながら内覧にはげむ沼ちゃんの姿は、夢見ごこちな乙女の部分と、地に足をつけて覚悟を決めた女性の強さの両方を感じます。

わたしは共感や憧ればっかりがムクムク湧いてきたんですけど、おひとりさまじゃない人はこれを読んでどういう感想を持つのか、ちょっと興味がありますね。

-, 漫画
-,