つぶらいん

本や映画のレビューを中心にしつつ、ぼっち&出不精生活を満喫する管理人の日常のブログです

映画 洋画

【映画】パルス/黒沢清監督の「回路」のハリウッドリメイク作品

2017/01/23

分かりにくかった黒沢監督の「回路」をものすごく分かりやすくしてくれた作品です。

回路は劇場公開の当初、CMが怖くてすごく楽しみにしていました。
ところが、実際映画を観てみたら、若かったわたしは、意味がよく分からなかったのです。その後、黒沢監督が書いた原作を読んで、なんとか理解しました。

そして本作です。もうすっごい分かりやすい。
初見でも全然オッケーな内容で逆に驚きますよね、ここまで整理されると。
この作品を知ったのはDVDでなので、あんまりヒットしなかったのかなぁ。もったいないと思うぐらいにホラー的に面白かったです。

あらすじ

恋人のジョシュと連絡が取れず、フラれたのかと落ち込むマティ。友人たちに慰められるも心は晴れません。

帰宅したマティの家の留守電にジョシュから不可解なメッセージが残されます。ジョシュのアパートを尋ねたマティはそこで、憔悴しきった様子のジョシュと出くわします。そしてジョシュは別の部屋で自ら命を絶ってしまいます。

彼の死後、なぜか友人たちの元へジョシュからのメールが届くようになります。
ジョシュの部屋を片付けた大家から、彼のパソコンを売った相手を聞き出したマティはその相手がメールの送信をしていると思い尋ねて行くのですが、買い取ったデクスターはまだパソコンは繋いでもいない状態だったのです。

マティが去った後、デクスターはジョシュのパソコンを解析し、得体の知れない物を見つけることになります。

パルス

2006年 アメリカ
監督:ジム・ソンゼロ
出演:クリステン・ベル、イアン・サマーホルダー、クリスティーナ・ミリアン

人の減っていくキャンパスが恐ろしく不気味

作中でも主人公のマティが言っていますが、最初のにぎやかなキャンパスから、どんどんどんどん人が減っていくのです。
始まりがにぎやかなクラブだったのとあのラストシーンのギャップが大きくて、その人口の減り具合にゾッとします。

ナイトシャマラン監督の「ハプニング」が思い出されます。あれも一気に人口が減る映画ですが、今作は異様な早さでいつのまにか、どんどん人がいなくなります。

そして何より不気味なのが、大きなパニックもなく、徐々に、それでいて急激な減少だと言うことです。
主人公と周囲の友人たちだけで起きる自殺や失踪だけならともかく、気付かない間に世の中に広がっていて、大多数の人々はなす術もなく消えてしまっているということです。

こういった状況の場合、多くはどこかでパニックが起こります。ゾンビ映画のように、少数になった人々が逃げ惑い争いもする。ですが、今回の場合は逃げる対象が対象であることと、あまりにも人が減りすぎたことでそれはおこらないのです。

ちりとりでゴミを攫うように、さーっとあふれていた人々が消えてしまう。幽霊のような存在たちよりも、ずっとその状況の方が恐ろしく感じます。

そして、その異様な状況でも、それに気付かない振りをしてやり過ごす人がいたりもするのです。あそこまで人数が減っているのに、授業してるっていうのもおかしいですよね。意図的な鈍感さというのもあるのだなと思いました。

ティーンズ系ホラーに仕上げたかと思ったけど、そうじゃなかった

いきなりクラブのシーンから始まって、よくあるアメリカンアレンジか?! そうなのか?!と思いきや、序盤で彼氏死亡。デクスターはイケメンだけど、そういう雰囲気ではない感じで、とても好感が持てます。色恋必要な話ならともかく、そうじゃないところでぶっ込まれるとホラーは冷めるのよー。

あ、スラッシャー系のお決まりお色気シーンはいいのです。あれは殺人鬼に襲われる順番の問題がからむので、お色気はお色気でやっときましょう。

話はズレました。

それにしても、寮で暮らしている割に、みんなお互いに協力しないよなーと不思議に思いました。襲われた人は、ある種の無気力状態になるから仕方がないとしても、まだ無事な人とか、もうちょっと周りと連携すればいいのにね。そういう意味で主人公はアクティブで頭も回るからこそ後半まで生き残ったのか、と言えるのかな。

この時代は携帯が普及したのと、ネットサービスが充実し出した頃です。
突拍子もない話ではありますが、作中でおじさんが「そこら中に電波が飛び交って、痕跡を残しているような物だ」というようなことを言っていて、なるほどなーと思ったのでした。

当たり前に利用しているものだけど、そこに悪意のあるものが混ざってしまったことで爆発的に広がって止めようもなくなる。似たようなことってありますよね。

水を媒介にして疫病が広がるとか、「ザ・ベイ」みたいな汚染の話とか、そういうことは昔からあったわけで、それが今回は「回路」だったということ。そう考えるとヘンテコな話でもないのかな。

日本の「回路」と合わせて観ると、内容の理解は深まります。分かりやすい分、人に勧めやすいのはこっちかもしれませんね。

※追記

「回路」観ました。昔観た時はよくわからなかったんですが、ちゃんと分かる映画でした。昔の自分馬鹿じゃん。ダメじゃん。

「回路」の記事はこちら

 

-映画, 洋画
-,