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小説

【小説】クレオパトラの夢/今度は神原恵弥が主人公。読むしかない!

2017/01/22

MAZEで登場した神原恵弥が再び登場します。前作の主人公の満の友人で、強烈なキャラクターとミステリアスなバックボーンの持ち主の恵弥です。もう読むしかないですよね。

独特な女言葉で雄弁に語るくせに、肝心なところが さっぱり見えないのが恵弥です。今作でも彼のことがちょっとだけわかった気になりますが、まだまだ秘めたものが多く読み終えた直後でも次回作が楽しみになってきます。

あらすじ

双子の妹を連れ戻すために北のH市にやってきた神原恵弥。妹の和見は不倫相手を追いかけて仕事を辞めてH市で暮らしているのです。家族から懇願され、妹を説得する役目を引き受けた恵弥でしたが、彼には他にも極秘で探る目的がありました。

合流した2人は一度和見のマンションへ向かうのですが、知り合いに不幸があるとのことで、連れ立って告別式へ向かいます。そこにあった名前は和見の不倫相手をだった若槻の名前だったのです。

クレオパトラの夢/恩田陸

ウイルスハンター恵弥

前作では、何も知らされないまま謎解きをすることになる満が主人公だったので、恵弥についての情報がほとんどありませんでした。

今作で彼の本業が明かされます。
大手製薬会社の研究室勤務ということらしいのですが、研究室に詰めているわけではなく、アグレッシブに飛び回っているようです。
作中では和見が「ウイルスハンター」と言っていました。実績もあるようで、その世界では有名人のようです。

とは言っても、まだまだ謎が多いまま、きっちりと語られることはありません。
和見の問い詰め対しても、否定も肯定もしていないのです。どこまでが事実なのかは読者にはわからないのです。

しかしその謎がまたグッとくるんですよね。

恵弥の双子の妹、和見

一見して食えない性格の恵弥ですが、本作ではさらに強烈な人々が恵弥を振り回します。

筆頭が双子の妹の和見。
恵弥と対照的な男性的な側面を持った女性で、不器用だったり自虐的だったりするような印象がありました。不倫相手の若槻が亡くなった直後ということもあり、終始沈んだ印象です。それでも、恵弥をがH市を訪れた目的に対する詰め方がど、ういう弁護士だったかをうかがわせる手腕でした。

恵弥とは対照的な彼女ですが、鋭さやどこか図太さをもっていて、恵弥と血縁なのだと感じさせられます。
今回の件が吹っ切れた彼女が主人公の話も面白そうだなと感じました。

クレオパトラとはなにか

タイトルにもなっている「クレオパトラ」とは一体なんなのか。物語の最初からその名前が出てきます。が、一体それは何を指しているのかが非常に曖昧です。
和見の不倫相手である若槻は研究者でその「クレオパトラ」について研究していたらしいのです。そして、恵弥の目的も「クレオパトラ」なのです。

和見が追求しても恵弥は「クレオパトラ」については言及しません。
若槻博士は事故死とされていますが、実際のところがどうなのかはわかりません。彼の死後、周辺の人間たちが慌ただしくなったのは確かです。若槻博士の死に「クレオパトラ」が関係しているのか、謎ばかりです。

そして恵弥にしても、彼が探しているものはなんなのか、本当の狙いは一体なんなのかは簡単には明かされません。読み手はハラハラと辿るしかないのです。

何もかもが謎だらけで、読み手は翻弄されっぱなしなのですが、それが面白い。出てくる登場人物たち(主人公の恵弥も含めて)何かを秘めている人ばかりで、その背景にも興味が湧いてきます。

シリーズどれもおすすめ

1作目が「MAZE」で、恵弥の友人の満が、恵弥の依頼である遺跡の謎を解きにアジアの僻地まで行くお話。

MAZEの感想はこちら

2作目がこの「クレオパトラの夢」。

で、3作目が「ブラック・ベルベット」です。

ある女性を捜しにT共和国に向かった恵弥。そこで噂のある全身を黒い苔で覆われた死体の話を調査するのですが……という話。1作目の満も再登場します。

ブラック・ベルベットの感想記事はこちら

続きが出たら絶対に買うべきシリーズです。

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