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漫画

【漫画】すーちゃん/益田ミリが描くすーちゃんシリーズは独身30代に刺さる

2017/01/22

置かれた境遇は違うでしょうが、とにかく30代独身でふんわり仕事決めて生きてきた人間にはかなり刺さるお話です。

悩みはつきないけれど日々生きていかなきゃいけなくて、だけど今のままでいいのかな、なんて結論の出ない事をまた考えてしまうんですよね。

4コマ漫画形式で描かれる淡々とした筆致が和らげてくれますが、けっこうキッツイ話です。
でもどこか救いというか、読み終えた後になんだか癒やされた気分にもなるから不思議。

あらすじ

カフェで働くすーちゃん。30代独身。
ふわふわととらえどころのない自分の今の現状を変えたいと思いつつも、何をしたらいいのか分かりません。良いなと思うことをやってみたりはするのですが、どうもしっくりこない日常。
職場のカフェにくる中田マネージャーにちょっと好意を持ちつつも、一歩を踏み出すこともできません。

独身であることへプレッシャーを感じたり、老後のことに悩んでみたりしますが、いつも結論は出ません。

悩める30代にぐさぐさくる作品です。

ページを捲るごとにある「わかるわかる」感がすごい。

すーちゃんはカフェで社員として働いていて、アルバイトたちをまとめたりしています。

そのバイトの子たちとの色々が、もうほんとに「分かる! ある! そう!」と首がもげるほどに頷いてしまうのです。

主力のアルバイトさんが、店長に叱られ「辞める」と言い出すところはわたしも経験あります。そうやっていちいち拗ねるお前がメンドクセーよと思いつつ「まぁまぁ」と宥めるのも仕事のうちだと言い聞かせる。いやー接客業あるあるですね。

そしてこの同僚の人が「辞めるって言ってる」とすーちゃんに言ってくるあたり。アンタはフォローしないのか、と。こういうデリケートな面倒事をさらっと人に押し付ける人っているんですよ。作中ではそこまで言及されてませんが、わたしはこの同僚の岩井さんがスゲー引っかかりました。

自分がされてきたことがフラッシュバックするんです。

「どうしようー」という相談の皮を被った責任の押しつけって、そこそこありませんか。モヤッとするけど、かわしたらこっちが冷たい人みたいになるっていうか……。ああ嫌なこと思い出しちゃった。

とまぁ、1ページのちょっとした話でもこうしてゴッテリ語りたくなるぐらいには共感度が抜群です。

お友達のまいちゃん

メインはすーちゃんですが、もうひとり友達のまいちゃんにもスポットが当たっています。

営業の仕事をしているまいちゃんは、彼氏は既婚者。その関係に悩みつつも断ち切れない日々。すーちゃんはまいちゃんが不倫していることにうっすら気付きつつも「友達だからって何でも話さなくてもいい」と考えています。

まいちゃんはバリバリ働くキャリアウーマンという感じです。自分の内心の考えに後から「最低だ」と振り返ることもできるものの、思考はどこかとんがっています。
まいちゃんの行動パターンを見ていると仕事や不倫に疲れて余裕がなくなっているのかな、という気がしました。

登場人物たち自分とちょっとだぶる

すーちゃんもまいちゃんも、別キャラクターとして描かれていますが、ふたりとも色んなところに共感できます。
女30代独身の悩みというのは、ある程度共通点はあるものなのだなと思うんです。

上司の何気ない言葉に悔しくなったり、傷ついたりする。でもその上司もそんな悪い人ってわけではなくて、悪気なくぼろっと言っているだけ。
無邪気なアルバイトたちの無責任な言動も、幼さと立場の気軽さの上に成り立つものなんですよね。

そういう部分を理解しつつも、でもその場その場でつらくなったり傷ついたりしてしまうんですよね。
理性と感情でぐらぐらしてるみたいな。

友達に愚痴を聞いてもらったみたいな読後感があります。
女性の愚痴は共感を欲していると言っても過言ではありません。この漫画がすごいのは受け手である読者が、自分のなかの悩みを聞いてもらったかのような感覚になるところです。

結論のでないこと、考えても仕方ないようなことを延々と悩んでしまったりすることは誰しもあります。
登場人物たちも、自分なりに行動をしていきますが、それでもその悩みや心配は消えてしまうことはありません。日常が続く限り、彼女たちの悩みは尽きるはずがないのです。

それでも、生きて行かなきゃいけないんだなぁと、じんわり思えるんですよね。

読み終わった後、ちょっと元気になれる1冊です。

続編と映画

続きが何冊か出ています。
Kindle化はされていないようで残念ですが、すべて文庫化しています。

漫画なんですが、幻冬舎文庫なので、本屋さんだと小説と一緒に並んでいるかもしれません。

映画化もされています。

タイトル通りすーちゃんとまいちゃん、そして「結婚しなくていいですか」に登場するさわこさんが出てきます。
ので、先に原作を、というのであればそちらを読んでからの方がいいのです。
映画は映画で完結しているので、原作抜きでも問題はないかとは思います。

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