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【映画】イット・フォローズ /静かに歩みよる「それ」から逃げろ!

2017/01/19

なかなか説明が難しい映画です。

うつされた本人にしか見えない「それ」に追いつかれると、凄惨な死を遂げてしまう、というお話。遠くからただひたすらに歩いて迫ってくる「それ」は人間に見えるけれど明らかに異質な存在です。

主人公を助けるために幼なじみたちが奮闘するという、青春映画の側面もあったりして、普通のホラーとは別種の楽しみ方ができる映画です。

あらすじ

大学生のジェイ。新しい彼氏と関係をもった直後、拘束されてしまいます。
彼によると、性行為をすることにより、彼女にあるものを移したというのです。「それ」はゆっくりと追いかけてきます。捕まると死んでしまい、そうすると移した相手に遡り、また追いかけてくるというのです。

彼の言うことが理解できないジェイでしたが、学校の授業中見知らぬ老婆が自分を見つめ、ゆっくりと近づいてくるのを目撃します。
彼の言うことを信じていなかったジェイでしたが、自分がその何かに追われていることを確信します。

イット・フォローズ

2014年 アメリカ
監督・脚本:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ソヴァット

設定の斬新さで話題になった作品

性行為をすることによって相手にうつすことができるという「それ」。
ただ静かに相手に歩みより、捕まえた瞬間に凶暴さがあらわになります。どんな目にあうかは、冒頭の女の子のシーンでみんな分かるので見てるこっちはハラハラします。うまいことやるわ。

主人公のジェイはフツーのティーンエイジャーという感じ。美人でモテるけどとっかえひっかえというタイプでもなし。新しい彼氏とも慎重に関係を進めていた印象です。ところがまさか展開ですよね。可哀想だ……。

突飛な話なので、そう簡単に彼の言うことを信用できないのは当然です。しかもついてくるそれが、生身の人間とかわらない物理感なのです。なにしろ、家に入る時はドアをあけるし、閉まってれば窓を割る。ノックまでします。

何なんだこの存在感。

その存在は姿を変えますが本体は1人。ただただ目的の相手に対してストーカーのように徒歩で近づいてくるのです。

ジェイを助けるために奔走する妹&幼なじみたちが良い!

けだるげなティーンエイジャー映画の雰囲気も漂わせていて、よくあるキャーキャー言うホラーとは雰囲気が違います。この辺は上手い。

ジェイが見ているものはみんなは全然見えません。最初のうちはみんなジェイを心配しつつも、追いかけてくるそれについては信じていません。何しろ見えませんからね。それなのに誰も「ジェイがおかしくなった」という扱いをしません。ジェイ自身が「あたしがおかしくなっちゃったの……?」みたいなことを言うだけで、そういう目で見ないんですよね。

さらに、序盤で上手くジェイを信じさせるきっかけを作り、周囲もどうにかしようと奔走します。
この幼なじみ5人組がいい感じなのです。

登場するがジェイの妹のケリー、幼なじみのポールとヤラ、ご近所のグレッグ。
グレッグとは過去に何かあったようで、今はそこまで交流がなかったようですが、ケリー、ポール、ヤラは仲良しで何かと一緒に遊んでいる様子。
ジェイの問題も、彼らが必死でできる限り力を貸しています。

特にポール!! 「それ」から逃げるのも気になるけど、お前のソワソワにわたしもクギヅケだよ!

しょっぱなからジェイに惚れてるのが分かるポール。いい感じの童貞っぽさを漂わせています。

感染の経緯を聞いたときからソワソワしてて、もういますぐにでも「俺が引き受けるよ!」っていいたいのがよく分かります。下心っていうだけでもなくて、ジェイが好きなんだろうなーというのが全面に溢れ出てるから微笑ましい。

どんくさくてヒーローになりきれないけど、精一杯頭絞ってできることを考えているのがいじらしくてかわいいじゃないか。

カメラワークが印象的

全体的にもう「志村! 後ろ!」な映画でした(年齢がばれるな)。

ジェイは気付いていないのに、背後にそれが迫っていたりと、見てるこっちが緊張します。
ぐるりと周囲をまわすカメラワークも多くて、主人公たちよりこっちがハラハラと「それ」を探すことになります。そしてホントにいるんだこれが。ジェイしか見えないわけで、他の幼なじみや妹が見える位置にいても意味がないんですよね。

そう考えるともうちょっとジェイはキョロキョロしてるべき。怯えてる割に危機感薄いぞー。

解釈が割れるのは納得

性病のメタファーなんて説もあるようですが、それに関しては監督が否定しているようですね。
公式サイトのインタビューを読むと、作品の意図を考える糸口になるのではないでしょうか。監督自身が詳しい解説をすることを避けているので、観念的な話は各々考えましょう。

公式サイトはこちら
映画『イット・フォローズ』オフィシャルサイト

観る前、わたしはてっきりこの連鎖に巻き込まれた人たちが「それ」になるのかな、なんて安易に考えていたんですが、犠牲者はただ犠牲者なだけのようです。

メタファーや監督の狙いは置いといて、「それ」が一体なんなのかは不明なままで良いのかなと思うのです。正体割れたらそれはそれでなんか拍子抜けする気がするし。
変な続編作られないと良いな……。

正直ちょっと拍子抜けな部分はある

というのも、冒頭で女の子が派手な死体になっていたので、グロ度に期待してしまったのです。

冒頭で、「捕まったらこんな目に遭うよ」というのを提示することで、本編のハラハラ度も高まるから、良い演出だったんですが、ややグロ好きなわたしとしてはもうちょっと色々見せてくれても良いのに……と思ったのでした。
派手に死体見つかるとかさ……。

しかしグレッグのシーンは、グロとは違う嫌悪感をもよおさせるものではありました。

ヒャッハー的ホラーを望んでいると肩すかしを食う作品です。じりじりと迫ってくる不穏な恐怖を味わいたい方にはおすすめです。

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