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【映画】予言/恐怖新聞がオリジナル実写化!死を予告する新聞に翻弄される男の末路は?

2017/01/19

2004年から始まったJホラーシリーズとして「感染」と同時上映された作品です。「リング」の大ヒットで日本のホラー映画が大変盛り上がっており、良い時代でした。

恐怖新聞を題材にしたオリジナルストーリーです。恐怖新聞は原作というよりは原案ぐらいのレベル。

鬼形礼も登場しますが、おじさんで完全別もの。違いを比べるまでもありません。タイトルも「恐怖新聞」じゃなくて「予言」なのそういうことなのでしょう。

あらすじ

休暇から家族で帰宅の途中、仕事のメールを送るために公衆電話を利用していた里見。そこに新聞の切れ端があるのを見つけ、何気なく手に取ります。記事には娘の奈々が事故で死亡する内容が書かれており、里見は困惑します。しかしその直後、停車していた車に大型トラックが突っ込み、記事の通りに奈々は亡くなってしまいます。

事故から3年後、高校で教師をしている里見は、教え子の若窪が不可解な行動をしていることに気付きます。と同時に、また里見の元に新聞が届くようになります。

事故の後里見と離婚した妻の綾香は、大学で念写実験の研究を行っていました。
最初は彼の言う新聞のことを信じていなかった綾香でしたが、時間が経過し彼女なりに新聞のことを調べようとしていたのです。念写実験に協力してくれていた御子柴から、「恐怖新聞」について教えられた綾香は、里見に連絡を取ることにします。

予言

2004年 日本
監督:鶴田法男
出演:三上博史、酒井法子、堀北真希、山本圭、吉行和子

死を予言する新聞と、それに翻弄される家族の話

疑問に思ったのは、「彼が新聞を見つけて読んだから事故が起こったのか」ということ。

主人公の里見が、新聞を受け取るようになってからは別ですが、発端となった事故に関してはどうなのかな、と思うわけです。
色々な要素が重なって起きた事故です。彼自身の選択がひとつ違えば(メールを送らない、とか)違う結末があったわけで、里見があの公衆電話にたどり着き、恐怖新聞を手に取ってしまったことはひとつの引き金だったという可能性はあります。

沢山の犠牲者を出している新聞ですから、新聞自体がそれを受け取る人間の死を引き寄せています。里見があの新聞を手に取ることで、彼は選んだし選ばれたのだと思うのです。

新聞を手にしていなければ、事故が起きてもそこには「娘の事故死」があるだけです。新聞の存在を知ることで、その事故の意味合いがちがってしまうのです。

人が死ぬと分かっていて放置できる人は少ない

死の予言があったとして、それを運命だとそのまま放置できる人というのは少ないでしょう。自分が関わりのない出来事だったとしても救いたいと思ってしまうのが人情です。

里見を縛っているのは、知っていたのに娘を救えなかった自責です。それがさらに彼をかき立てます。彼自身はあのまま何もせず新聞を受け取るだけだったとしても、そう長くは保たないのは確実なわけです。

見ていて感じるのは、彼自身、自分の延命にはあまり興味がなさそうだな、というところ。
元妻の綾香はおそらく娘だけではなく、夫まで失いたくないと考えているのが分かります。しかし里見の場合はどうでしょうか。ああして行動しているものの、どこか生きる気力は失われています。

死を覚悟しつつ最善を探っている、というような印象を受けました。
最終的に彼の望む結末が呈示されますが、ここに至るための道程だったように思います。

彼だけに与えられたチャンス

なぜ彼にだけやり直すチャンスが与えられたのでしょうか。他の新聞を受け取った人たちにはそれがあったのでしょうか。

妻に支えられ、諦めずに新聞について探り続けたからこそ得たチャンスだったのかもしれません。
死んでしまった教え子は、自分の死を受け入れ諦めていたようでした。精神を病むひともいたし、彼自身あのまま無為にすごしていればそうなったかもしれません。

妻が彼の言うことを信じたことも大きく、一人だったら負のスパイラルから抜け出すこともできなかったでしょう。妻の運命を曲げ、あらがう方向へとむかったことで「娘の身代わりになる」選択肢を与えられたのです。

終盤のタイムパラドックス的展開は唐突です。しかし娘を救うことでしか、彼は救われないというのも確かです。バットエンドでありハッピーエンドでもあるお話でした。

余談

ホラー共通の話ですが、登場人物たちは基本ボソボソ話す上に、恐怖シーンで急に音量上げてくるので、家で夜中に見る時は注意が必要です。ホラー的演出のひとつでしょうが、ちょっと考えて欲しい部分でもあります。

「え? 今なんて言った?」ということが多くて、ボリュームを上げると次のシーンでドーンガシャーンバーン!みたいな音響がついてて慌てて下げてました。

夜中ならヘッドホン推奨です。

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