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漫画

【漫画】ミミの怪談/伊藤潤二が新耳袋をコミカライズ! 原作を知ってても楽しめること間違いなし。

2017/01/18

現代の怪談話を集めて百物語をするというテーマの新耳袋を原作にした伊藤潤二のコミカライズ。

女子大生ミミを主人公に、彼女と周囲の人々が遭遇する怪異を描きます。伊藤潤二と怪談、というありそうでなかった組み合わせが楽しい作品。シリーズ化して欲しいですが……もう次は出ないのかなー。

あらすじ

では、各話のあらすじを簡単にご紹介。

ミミの怪談/伊藤潤二

隣の女

女子大生のミミは築40年のアパートで一人暮らしをしています。古いアパートは防音も悪く、上に住む男のステレオのボリュームが目下の悩み。抗議をしても男は聞く耳を持たず「もし隣の住人もうるさいと言うなら考える」と言います。耐えられないミミは男の隣の部屋を訪ねます。しかしその部屋に住む黒ずくめの女はどこか普通ではありません。
ある日、帰宅したミミは隣の男が外で怯えたようにうずくまっているのを見つけますが……。

草音

彼氏の直人と早朝散歩中、首つり死体を発見してしまいます。しかしその死体はどこか異様で……。

墓相

新居に引っ越してきたミミ。そのアパートは条件の割に家賃が安い物件でした。その理由は、目の前にある墓場。直人にからかわれ気味が悪くなるものの、そう簡単には引っ越せません。
不気味に思いつつ布団に入ると、墓場の方から何かを引きずるような奇妙な音が聞こえてきます。隣人に聞いてみるものの、彼は特に気にした様子はありません。墓場を見て回ると、なぜか墓石がずらされているものが多数見つかります。困惑するミミでしたが……。

海岸

大学の友人たちと海へ遊びにいったミミたち。楽しいはずの海ですが、ミミはまたなにか怖いことが起こるのではと心配です。
車で仮眠中、ふと目が覚めて外を見ると腐乱死体が歩いているのを目撃します。慌ててみんなを起こしますが、それはすでに消え失せており、直人たちは信じてはくれません。
翌朝、海の家でその話をしていると、そこで働く少女が海岸ではよくあること、と語ります。
友人がその少女を海に誘い一緒に遊ぶことになります。しかし彼女と行動を共にしてから、友人のひとりの様子がおかしくなっていき……。

ふたりぼっち

親戚の女の子の恵ちゃんを家で預かることになります。
常にくっついて離れない恵にミミの妹のハナが耐えきれなくなります。しかし、ミミの母から、恵の母親が亡くなったばかりで預かっていることを知らされ、ふたりは口をつぐみます。
ミミが離れたがらない理由を聞くと、恵は「となりにいつも黒い人がいるから」と答えるのです……。

朱い円

心霊現象の有無で直人と喧嘩したミミ。
その様子を見た友人の美砂は、ミミに見せたいものがある、と取り壊し途中の親戚の家へ案内します。
取り壊した家の床下にさらに部屋があったのです。その部屋は、出入り口がなく、今回の取壊しでたまたま見つかった部屋でした。その部屋の壁のひとつに朱色で描かれた円がありました。

そして美砂によると、この部屋から祖父が忽然と姿を消したというのです。

やはり伊藤潤二、一筋縄ではいかない!

伊藤潤二というと、他に類を見ないぶっ飛んだ設定のホラー漫画というイメージがあります。ホラーの中でもジャンル分け不能な領域にいるといっても過言ではない作風が特徴。

あとがきによると、原作を大幅にアレンジした部分もあるとのこと。
主人公達を固定にしたので、そこは致し方ないところかとも思います。しかしそれで、怪談の面白さが損なわれることはありません。

ギャグとホラーの絶妙な融合が魅力の作風がここで存分に発揮されています。
1話目の「隣の女」からかっ飛ばしてますが、やはり3話目の「草音」でしょう。
おぞましさとギャグの絶妙な融合は作者にしか描けません。隣の男には笑ってしまいますが、その後に残されたものが問題です。笑いと恐怖の紙一重っぷりがたまりません。

そして4話目にきて不可解かつおぞましい少女の登場。魔性系美少女を描かせたらやはり右に出るものはいない……。

本のカバー下もお忘れなく

漫画の楽しみと言えば、カバー下です。
今回ばかりは絶対に観て下さい。ここにも短い怪談が漫画になっています。怪談の面白さは短い内容でガッと訴えてくる恐怖感です。特殊な印刷も雰囲気出してて最高。

装丁も凝ってますので、電子派の方々も紙で手に入れる価値ありの1冊です。

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