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【映画】ナインスゲート/悪魔の書に秘められた秘密を探れ。

2017/01/18

やれ天使だ悪魔だ神様だというような話は、ファンタジックに思えるものです。
わたしの場合、ホラー映画のオチが悪魔だとちょっとだけ萎えます。それいっちゃうと何でもありになっちゃうじゃん?というのが理由なんですけど、今作はちょっとばかり違いました。

依頼を受けて稀覯本の鑑定をしようとする主人公が、殺人事件に巻き込まれる……というとミステリーじゃない?と思いますが、あくまでもホラーです。そこを理解して見ないとオチに腹立つ可能性があるので、ジャンルの大前提を受け入れておいてくださいね。

あらすじ

依頼に応じて稀覯本を手に入れる「本の探偵」ディーン・コルソ。手段を問わないやり口に業界内では評判が悪い人物です。

彼の元に収集家のバルカンからある本の鑑定を依頼されます。バルカンは最近、世界に3冊しかないと言われている「影の王国への九つの扉」を手に入れており、世界に3冊しかないと言われる貴重なその本を他の2冊と比べて欲しいというのです。彼は現存する3冊のうち、1冊だけが本物ではないかというのです。

破格な報酬を呈示され、引き受けたコルソ。調べものをしているところを不振な女性に後を付けられ心配になったコルソは、友人の古書店の店主に本を預けます。しかし、その後本を取りに向かったコルソが目にしたのは、友人の無惨な死体だったのです。


ナインスゲート

2002年 フランス、スペイン
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジョニー・デップ、レナ・オリン、フランク・ランジェラ、エマニュエル・セニエ

重苦しい雰囲気になじみのない内容。でも面白い。

ジャンルがホラーに分類されていますが、大筋はほとんどミステリーとかサスペンス寄り。
依頼された本の調査をするコルソが、想定外に襲われたり追われたりする話。

簡単に整理します。

バルカンに依頼され本の調査をするコルソ
コルソの後をついてくる謎の女。ピンチのとき助けてくれる。
バルカンに本を譲ったテルファーは翌日に自殺。その妻が本を取り返そうとしている。

とまぁこういうところです。コルソはなんかよく分かんない感じに追われながら、バルカンの催促にゲンナリしつつ残りの本を調査します。
しかしその行く先々で人が殺され、コルソ自身もやってられんわ!となるのですが、バルカンはそれを許しません。

元持ち主のテルファーの妻リアナは、強引にもコルソから本を取り戻そうと躍起になっていますし、味方誰もいなくて可哀想になります。そこに救世主なのかわかんないけど、謎の女が助けに入ります。コルソはバルカンがよこした見張りだと思っていますが、どうも様子がおかしい。しかし唯一信用できそうなのは彼女だけ。

依頼されて動いてるのにバルカンなんて全然味方な気がしません。登場からうさんくささMAXですからしかたありませんね。

稀覯本収集には興味はないけど、ワクワクする

「影の王国への九つの扉」の残り2冊を調べるために持ち主のファルガス、ケスラー男爵夫人の元をそれぞれ訪ねます。

ファルガスは大きな屋敷に住んでいるものの、没落したようで5000冊あった蔵書もいまは1,000冊を切っているほど。しかし大事に管理された本たちのインパクトはあります。本とともに静かに暮らす老人、という印象。

そしてもうひとりがケスラー男爵夫人。
街中にオフィスを構えており、その部屋にはぎっしりと見事な本たちがおさめられています。
隻腕で車椅子を操り矍鑠としており、悪魔の研究に没頭している様子。「影の王国への九つの扉」を書いたトルキアの伝記も書いているほどです。
現れたコルソをあしらう様は魅力的で、二枚舌と言われるコルソも形無し。

バルカンはと言うと、高層ビルの一画に作られた悪魔の書をコレクションしており、近代的に管理された部屋は彼の冷徹さを表すようです。

何かを収集する人というのは面白くて、凡人には理解できないものに固執する姿は空恐ろしくも映ります。
コルソのようにはっきりと「商売」としてやっている人の方がよほど理解できます。

ここで語られる悪魔云々は置いといて、彼らの本に取り憑かれたような生き方もまた興味深い。
秋葉原の古書店街行ったけど、すごいとこになると理解の及ばない世界だったもんなぁ……。貴重なものには触るのも怖いし。

そういう知識は皆無ですよ……という人でも大丈夫。

世界が違う、という言葉がありますがまさにそれで、普段目にしない世界を見せられている気分です。
なじみのない大量の稀覯本と収集する人々。どこまでが本当なのか分からない怪しげな悪魔の話。

ぐっと作品の世界に引き込まれます。
ジョニー・デップの渋い演技もよくて、コルソのうさんくささと有能さが滲み出ていました。こういう渋くて地味な役もっとやって欲しい。コルソはスーパーヒーローじゃないし、喧嘩は強くないし、けっこう間抜けにやられるしで、主人公としても面白いですよね。

ホラー映画、と思うとちょっと肩すかしになりますのでそこはご注意。

原作本もおすすめ

昔この映画がやってた頃に読みました。

映画よりボリュームがあります。というのもこの映画、原作本のストーリーを大分削ってるからです。キャラクターもちょっと違ってたりするので、映画を見ていてもストーリーが分かるからつまらない、ということはありません。

同じ作者で、こっちの本も面白かったです。おすすめですよー。
どっちの本もハードカバーの方がカッコいい装丁です。文庫もハードカバーも古本しかないみたいなので、お好みで。

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