つぶらいん

本や映画のレビューを中心にしつつ、ぼっち&出不精生活を満喫する管理人の日常のブログです

映画 洋画

【映画】コロニー5/氷河期が訪れた世界。地下のコロニーに暮らす人々を襲うのは?!

2016/11/13

雪に閉ざされた世界で、わずかに生き残っていた人々の苦難を描いた作品です。未来なのでSFっぽいですが、ハイテクな話は一切出てきません。どちらかと言うと滅亡系映画。

ジャケットのど真ん中にヒロインのカイが写っていますが、主人公は右のサムです。この配置おかしいだろ。

コロニー5

2013年 カナダ
監督:ジェフ・レンフロー
出演:ローレンス・フィッシュバーン、ケヴィン・ゼガーズ、ビル・パクストン

※ネタバレ注意

あらすじ

世界が氷に閉ざされ、人々は地下のコロニーに潜んで生活をしています。
コロニー7では風邪が流行し多くの死者を出しており、緊張感が漂っています。そんな中コロニー5から救難信号が入ります。その後信号は途絶え、リーダーのブリッグスたち数名で様子を観に行くことに。
たどり着いたコロニー5の周辺には血痕があり、コロニー内には人の姿はありません。探索した彼らは閉じこもっていた男を発見します。彼は怯えており何かが襲ってくるとしきりに訴えます。彼にコロニーで何が起きたのかを聞くのですが……。

ギスギスを通り越して殺戮

予告編を見たわたしの予測は、希望が薄くなりギスギスし始めるコロニー内に別のコロニーからやってきたモンスターが侵入、でした。予測は大外れ。モンスターでもなければ、変異した人でもなく、ガチの人間が飢えで変貌っていうなんか笑えない話でした。

極限状態で変貌する人々と、それにあらがい人間らしく生きようとする人々を描いています。
ブリッグスの過去の話やメイソンの暴走で、状況が切迫してくると人は暴力による支配に流れていきやすいことを示唆していますが、コロニーを襲う集団はさらに一歩進んでいます。

モンスター化した人々が強靭すぎ

コロニーを滅ぼした人たちは飢えのために人肉を食べ、それ以来癖になってしまったようです。しかしいきなりあそこまで凶暴化するものでしょうか。極限状態での変貌に関してはまだ納得できます。それに加えてあそこまでパワーアップして野性味が出てくるのはやりすぎと言うかむちゃと言うか……。

襲撃者たちは軽装であの猛吹雪の中サムたちを追ってきています。食料を前にしてアドレナリンが出まくっているにしてもすごすぎる。第一、食料だったらまだコロニー5の人たちがいるのでそこまで困っていません。今後の食料事情を考慮すると、コロニー5を食べ尽くしてからコロニー7に行けば良いと思うんですよね。彼らがそこまで考えていないと言われてしまうとそれまでなんですが。

野性的になってるけど人間だから、目の前の獲物を捕り尽くさないと気が済まない、という捻った皮肉が込められているのかも? いやないか。襲ってきてくれないとお話にならないからですよねー。

風邪の設定、いるか?

冒頭でメイソンが風邪の患者を撃ち殺すシーンがあります。
食料事情の関係で抵抗力がなくなっているのもわかりますが、風邪って! 今の私たちにとっては大したことなくても、こういう状況だと風邪でも命取りなんだよ、ということをいいたいのか? せめてインフルとか、もう少し蔓延したらヤバい印象があるやつにすればいいのに……。

どうしても「風邪で?!」と思ってしまいます。
さらにその風邪設定が全然生きていない……。メイソンの暴力性の演出のためなのか、彼らの追いつめられっぷりを表現したいのか。うーん……わからない。

ヒロインの化粧が気になって話に集中できない

こういう世界滅びかけてる系映画であるあるですが、ヒロインの化粧が濃い!

世界、滅びかけてるんですよね? 食糧難なんですよね? なぜ化粧品があるのだ……。他の女性陣はナチュラルなのでよけいに目立ちます。せめてもう少し抑えめにしておけばいいのに完全にフルメイクなのがちょっと。
バイオハザードのように、まだ滅びかけて間がないんならまだ納得のしようがあるんですけどねぇ。この話では主人公のサムが子供の頃にこんな状態になったわけですから、もう化粧品手に入らないでしょう。リアリティってそういうのが大事よ……。
この人だけこの世界観で浮いてて、出てくるたびになんかむずがゆいのです。

出てきた瞬間に「化粧濃い!」って思いますからね。ジャケットでも濃いけど、ジャケ用写真だと思うじゃん……?

地味に豪華なキャスト

コロニー7のリーダーがローレンス・フィッシュバーン演じるブリッグス。理性的で頼れる兄貴的な印象でハマってますが、案の定序盤でみんなを守るために退場。元軍人というだけあって、判断力行動力共に抜群。わずかな時間でみんなの精神的支柱であることもわかります。

そしてそして、ブリッグスの戦友でもあったメイソンはビル・パクストン。「誰だっけこの人……」と思って調べたら「エイリアン2」のハドソンですよ! エイリアン2ではビビリの役で、今回は支配的かつ暴力的な元軍人という極端さ。大分お年を召していらっしゃるので言われないと分かりませんでした。髭もあるし。

設定が込み入っているわりに話はストレートで拍子抜け

結末も曖昧なまま終わります。
襲撃してきた人間たちは撃退。しかしコロニーを失い彼らは猛吹雪の中を徒歩で移動しなければいけません。食料も水も準備できず、植物の種だけをたずさえて……。

希望があるのか絶望なのか、微妙なラインで終わらせたんでしょうね。でもそこがまた消化不良でした。

もういっそ、雲が晴れ、太陽が出ている場所までたどり着かせて希望いっぱいでメデタシメデタシにしちゃえば、ご都合主義でも多少のすっきり感があったのではないでしょうか。ま、ありがちですけど。

たどり着いた先は希望の場所ではなく、食人集団に教われ壊滅、機械も壊され雪に埋もれつつありました、みたいな絶望エンドでもいい。

もうどっちかに振り切って欲しかったです。
この手の映画は曖昧なまま終わらせるのが悪い癖。余韻にお任せするのは簡単ですが、それで許される映画は限られています。

人物の描きかたも中途半端

登場人物たちもそこまで感情移入できるタイプでもなく、人間関係の描きかたも中途半端です。ブリッグスにメイスンとの過去についてわざわざ語らせるのなら、それぞれの考え方の違いに葛藤があっても良いのに、と。特にメイスンはただ暴力的な支配欲のある男になってしまってるのが残念です。彼は彼でなにがしかの想いがあるんだということを見せてくれれば、ブリッグスとの齟齬にも納得できたと思います。
悪者で終わるわけでもないし。

話がストレートならそこで人間ドラマを見せて欲しいし、物語を見せたいのならもう少し捻って欲しい。そこまで短い映画じゃないのにあっけなく感じるのは、そのどちらも中途半端なまま終わってしまうからでしょう。

滅びかけている世界の描写はすごくいいので、もったいなかったですね。

雪にまみれた映画は好きなんですけどね……

 

-映画, 洋画
-