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【漫画】狂気の山脈にて/田辺剛が描くラヴクラフトシリーズも4冊目。南極調査隊が遭遇する未知の生命体とは?

2016/11/20

ついに来た! ラヴクラフトの傑作を田辺剛がコミカライズ!
毎回思いますが装丁が素敵ですよね。今回のカラーは白。南極が舞台の今回の作品にはピッタリです。

狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集

ビームコミックス
原作:P・H・ラヴクラフト
漫画:田辺剛
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン

あらすじ

1930年、ミスカトニック大学のダイアー教授が率いる遠征隊が、南極調査へと旅立ちます。資金も潤沢でこれまでにない設備を持ち出発した彼らの航海は順調に進み、無事に南極ヘの第一歩を踏み出すことができました。
天候にも恵まれ、順調に地質調査を行っていた教授たち。新たな基地を設け、これまで人類が踏み込んだことのない場所へと手を広げていきます。

様々な化石を発見するなか、生物学者のレイク教授は謎の縞模様の化石に目を留めます。地層の圧迫によるもの、というダイアー教授の話に納得しないレイク教授はこれを未知の生命体の痕跡と考え、その調査にのめり込んでいきます。

「魔犬」を読んだ時から切望していました

このブログでは何度も「狂気の山脈にてをコミカライズしてくれ!」と叫んでいました。
コミカライズする作品をどう選んでいるのか詳細は存じ上げないので、わたしと同じ気持ちの読者が沢山いてくれたのか、作者の田辺さんの好みなのかはわかりません。
なにはともあれ嬉しい! すごく嬉しい! 本になるのもすごく早くて、連載からそんなに経たずに本が出たのもコミック派としては喜ばしいところです。年明けぐらいかな、とか思ってたので。

「魔犬」を読んで以降、「この人がどうラヴクラフトの世界を描くか」にすっかりハマっていて、このまま全作品網羅して欲しいぐらいです……。

序盤のジリジリした感じがたまらない

レイク隊が尋常じゃない状況で壊滅するのを目の当たりにさせられた直後、話は南極調査の出発前にさかのぼります。一体何が起こったのか早く続きを!という気持ちと、まずは落ち着いてああいう状況に至る経緯を知りたい、という気持ちとがせめぎ合います。せめぎあったところで、漫画のストーリーは変わりませんが。

冒頭でどえらい目に遭うレイク隊も涼しい顔で登場し、熱心に調査を行っています。彼らがどういう末路を辿るのかを知っているので、読み手としてはハラハラです。

レイク教授のチームがああいうことになるのは読者は知ってるわけですから、彼の熱心さにこちらも気が気じゃなくなります。ダイアー教授にも「もっと真剣に止めてあげて」と心で叫んでしまいますね。

レイク教授の目がコワイ。知りたい欲はある意味危険

ひたすらに調査を続ける1巻ですが、その見所はやはり冒頭で壊滅する調査隊を率いていたレイク教授。

最初は理知的な生物学者と思っていましたが、未知の化石を発見して大ハッスル。鼻息がどんどん荒くなっていくのがよく分かります。目つきが尋常じゃない。

そんなレイク教授にダイアー教授も押され気味。彼を嗜めるものの止めることはできません。
実際調査隊のひとりが言っていましたが、大発見をするのは少々の無茶ができることが必要だったりもします。天候に関する注意や、安全面での忠告はしつつも、ダイアー教授自身多少は理解していたのではとも思ったりして。
レイク教授に対する敬意があるからこそ、強く止めることもできなかったわけですしね……。

レイク教授の暴走的な知ることへの欲求は、時に危険でもありますが見方を変えればそういう存在が必要な場面もあるのです。この話だと彼の末路は分かっているので、「あー……やめときゃいいのに」と思ってしまいますが、物語が違えばそういう行動が賞賛されたりもするので、一概には言えないんですよね。

2巻が楽しみでしょうがありません

1巻はここから起きることへの序章です。
ダイアー教授率いる南極調査隊についてや、ここまでの経緯や人となりを知るものです。冒頭で描かれた惨劇の後が本番なので、もう今から2巻が楽しみでなりません。2巻で完結するのか、3巻まで続くのかは分かりませんが、早く完結まで読みたい気持ちと、じっくり3巻かけて欲しい気持ちとが揺らぎます。

原作を読んでいるので彼らがどうなるかなど、ここからの展開などは分かっています。このコミカライズのシリーズは、「あのストーリーをどう描いてくれるのか」がポイントなので、続きを知っているかどうかは問題ではありません。

「ネタバレ」というものが影響を及ぼさないすごい漫画ですよね。
改めてラヴクラフトの原作を読み返したくもなりました。2巻目の前に予習しておくのも良いですね。

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