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【映画】オーメン666/悪魔の子供、ダミアンが現代に蘇る。忠実にリメイクしつつも独自のポイントを仕込んでいる良作。

1976年に製作された「オーメン」のリメイク版です。
子供を亡くした外交官が、病院の勧めで引き取った子供は悪魔の子だった、というキャッチーな設定。
「omen」の意味は「前兆、前触れ」。映画の内容から宗教的な意味の言葉だと思いこんでいましたが、違いました。

オーメン666

2006年 アメリカ
監督:ジョン・ムーア
出演:リーヴ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、ミア・ファロー、デヴィッド・シューリス

※ネタバレ注意

あらすじ

外交官のロバートは妊娠中の妻が入院している病院に呼び出されて駆けつけます。妻のケイトは無事でしたが、子供は産まれてすぐに死んでしまったそうです。しかもケイトはもう妊娠することができない体になってしまっていました。
ショックを受けるロバートに、病院から養子の申し出がありました。ロバートの子供と同じ日に生まれ、母親はすでに亡くなっているとのこと。迷うロバートでしたが、ケイトの精神状態も考え実子の死を伏せその子供を養子に迎えることに決めます。
子供にはダミアンと名付け、2人は精一杯の愛情を注いで育てていきます。

数年後大使に任命され、イギリスへの赴任が決まったロバート。当初は副大使の予定だったのですが、大使になるはずだった友人が事故で亡くなったため大使としていくことになったのです。

成長するダミアンの周りでは不可解な出来事が起き始めます。

1976年の「オーメン」を完全リメイク!

リメイク作品では珍しくきっちりと前作をきっちりおさえた作品になっています。現代に置き換わっていることと、キャスト以外はほぼ変わりません。違いと言えば奥さんの亡くなりかたぐらいですかね。普通にベイロックさんが殺しにきちゃいました。

公開当時は不評だったらしいのですが、まぁこれは比べる作品の出来が良すぎた分仕方がないと思います。個人的にはきっちり作られているリメイクなので、単純に楽しめました。

悪魔を怖く感じないのは日本人だからしょうがない

この手の悪魔だ神だっていう話のネックは、日本人にはピンと来にくい、というところ。信仰の有無はともかく、子供の頃からキリスト教や聖書に触れていればもうちょっと理解の度合いが上がって怖く感じるものなのでしょう。

洋画ホラーでよくある悪魔展開ですが、わたし的にはそこまで怖くは感じません。不可解な現象の元を探したら悪魔でした、という映画に当たったら「今回は外れたか……」と思っちゃうぐらい。エクソシストもあんまりピンときません。文化の違いと言えばそれまでなんですけどね。

はっきりと姿を見せない悪魔の存在感

「オーメン」に関しては悪魔が恐いというよりも、ダミアンを中心とした周囲の不穏さが怖いのです。はっきりと悪魔的なものは表れず、だいたいが濁されています。

記者が死を予兆するような写真を撮ってしまったり、ダミアンが教会を嫌がったり、猿が襲いかかってきたりと、外堀から埋めるような要素でダミアン自身の不審さを煽っていきます。
犬も乳母も不穏ですが、特に見た目に奇抜なところはありません。それがまた薄気味悪く感じさせるのです。

ダミアンを自分の子供と思えなくなったケイトも、おかしいと思いつつ結局自分の方がノイローゼなんだと考えカウンセリングを受けます。

例えばこの映画で、ラストに子供がゴリッゴリの悪魔デザインの姿に変わったらもう最悪だったと思うんですよね。一気にB級ホラーへと落ちていったでしょう。

ダミアンは何かがおかしい、と考える方がどうかしている可能性を常に秘めているのがポイントです。結果ラストでは子供を殺そうとしているロバートの方が殺人未遂として撃たれてしまうわけですから。

ダミアンにハマりすぎな子供

ダミアンを演じる子役が大変不気味で、将来大丈夫かなと心配になりました。顔立ちは整っているんだけど、何でしょうね、すごく不気味です。

1976年版の方のダミアンは無邪気な子供っぽさがあり、悪魔の子と言われてもにわかには信じがたい部分がありました。だからこそ、黒犬に手を振ったり、母親に激突するシーンでのギャップが効いていたのです。

リメイクという性質上、同じく可愛らしい子供にするのか、明らかに不気味にするのかは分かれ目だったでしょう。今回のダミアンは母親のケイトが妙に感じるのも納得の不気味さだったので、子供に当たりキツくなるくだりもそれほど違和感を感じずに見れました。

色使いがいい

印象に残るケイトやロバートの見る夢をはじめ、映画全体の色使いがとても美しいです。
夢の中は赤が意味ありげに使われています。彼らの不安もありますが、末路を暗示するような面もあり、写真と同様に不安を煽ります。

他にも病院の火事について調べにいった教会や、墓を掘り返すシーンでも極力色を排しながらも、美しさが際立っています。

その風景は、悪魔の侵略的なものが刻々と迫っているのを暗示してるかのような静けさでした。

こういう場面は1976年の「オーメン」とは印象が違っていて、むしろ良かったです。現代に置き換えるとおかしなことになりがちですが、そういうところもなく、上手くできていました。

キャスティングが意外と豪華

主人公のロバートは「スクリーム」でおなじみのリーヴ・シュレイバー。個人的には「CSI」に捜査官として4話だけ出てた方が印象に残っています。表情があまり動かない人なんですが、不思議とハマっていました。

ブレナン神父役にはピート・ポスルスウェイト。「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2」では恐竜狩りのリーダーのローランドを演じていました。つい先日見たばかりなので、ちょっと嬉しい。元の「オーメン」のブレナン神父より屈強に見えちゃうのはご愛嬌です。
ちなみに、同じく「ジュラシック・パーク」の1と3に出演していたサム・ニールはオーメンの3作目で成長したダミアンを演じています。うちの家ではサム・ニールと言えばダミアン、という認識だったりします。

ソーンとともにダミアンについて調べる記者には「ハリー・ポッター」でルーピンを演じたデヴィッド・シューリス。さらに同じくハリー・ポッターでダンブルドアを演じていたマイケル・ガンボンがブーゲンハーゲン役で登場。

すごいのがベイロックさんです。
ダミアンを守りにきた不気味な乳母は「ローズマリーの赤ちゃん」のミア・ファローで、クリッとした目とどこか貼付けたような笑みの違和感がなかなかで、普通じゃないものを感じさせます。ケイトが強い口調で話すたびに「その人に逆らっちゃまずいんじゃあ……」と思わせる迫力がありましたね。

こうして書くとキャスティングがかなり豪華でした。

1976年版はやっぱり名作。見比べてみるとまた面白いです。ブルーレイの安いのが出るみたいですね。

オーメンと言えばあの音楽です。1976年の方のサントラ。

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