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【映画】スリーピー・ホロウ/田舎の村で起きた連続殺人事件の犯人は首なし騎士?! 科学を信じる捜査官が事件解決に挑む。

ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演、というと今ではすっかりおなじみの組み合わせです。アカデミーで美術賞を受賞しているだけあって、作り込んだ世界に引き込まれます。映画の内容もいいんですが、その世界や背景、衣装など細かなところに目を奪われる作品でもあります。


スリーピー・ホロウ

1999年 アメリカ
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ、マイケル・ガンボン、クリストファー・ウォーケン

※ネタバレ注意

あらすじ

ニューヨーク市警のイカボットはある村で起こっている連続殺人事件の捜査に派遣されます。被害者は全員首を切断された上に頭部を持ち去られていました。村の重鎮たちに話を聞きにいくイカボットですが、彼らは伝説に残る首なし騎士のしわざだと主張します。科学的な捜査をしにきたイカボットは彼らの話を迷信だと断定します。しかし被害者が増える中、イカボット自身が騎士の犯行を目撃することになり、彼はその存在を信じざるを得なくなります。

ホラーであり、ミステリ。そしてファンタジー。

監督がティム・バートンですから、ゴリッゴリのスプラッタであるはずがありません。ストーリーや題材はホラー的ですが、ファンタジーの色合いが濃いです。

「首なし騎士」という非現実的な存在が殺人を犯している、という設定でありながら、その根っこはミステリです。首なし騎士はなぜ今蘇り殺戮を重ねているのか。

騎士が村人を襲撃する現場に居合わせたイカボットですが、彼はその場で殺されません。周辺の警備をしていたブロムも、執拗に攻撃を重ねたから返り討ちにあっただけです。他の人間は首を跳ねられて持ち去られていますが、ブロムに限っては殺害方法すら違います。

これらのことから、騎士には何か狙いがあって特定の人物を襲っているのです。

イカボットの捜査で死人の木が発見され、騎士が操られていることが判明します。いわば首なし騎士を凶器にした連続殺人なわけです。

イカボットというキャラクターが、捜査官という役割があるので、きっちりとなぞを追ってくれるのがいいですね。ただただストーリーに流されて意外な展開になるのではなく、ホラー的でありながらもミステリの色がとても濃いのです。

大人のおとぎ話

しかしミステリ的フォーマットでありながらも、犯人に関してはそこまでミスリードされません。
何しろ真犯人は登場から怪しさ満点ですし、設定からしてどう考えてもコイツだろっていう感じなんですよね。設定された世界と、物語の展開でそういう不満は湧きにくくなっているので、その部分はさほど気になりません。やっぱりこいつが黒幕かー、と安心して観れるとも言えます。

終盤で継母がカトリーナに対し、すべて謎あかしをするのも不自然ですし、他の人間のように狙われていると気取られずに襲わせた方が話が早いにも関わらず彼女を攫っているのもおかしいです。

しかしそいういうツッコミはヤボ。この話は大人のおとぎ話です。
騎士は首を取り戻し、自分の世界へ帰りますし、悪役は滅び、そしてイカボットとカトリーナはうまくいくのです。

惨劇の規模の割に、なんだかすべて丸く収まった感じになり、ハッピーエンドで良かったねと思えるのです。そこがおとぎ話のすごさ。

バンバン首が飛ぶけど、残虐に感じないのがすごい

ダークでありながらどこかコミカルなのが、ティム・バートン作品の魅力です。ティム・バートンの作品の中ではこれがダントツで好きなんですが、2番は「スウィーニー・トッド」です。我ながら分かりやすい。

どちらも題材やストーリーは一見残虐で、ホラー系が苦手な人には目を背けたくなる物を想像してしまいますよね。
でもそれが不思議と受け入れられてしまうのです。端的に言えば、ご飯を食べながら見れるんです。

チープではないのにとてもフィクション性が高くて、そのバランスがいいんです。ホラー的でありながらもコメディ色が折り混ざっていて、でもシリアスで……。

スリーピー・ホロウは設定や題材、時代設定でより強まっていますが、その他の作品でも根底にあるのはおとぎ話感覚なのです。
それが状況の深刻さや、残酷さにそこまでヒリヒリした感覚を起こさせないのです。

18世紀末という時代設定が最高

アカデミーで美術賞を受賞しているというのも納得の世界です。
陰鬱で薄暗くくすんだ色合いの画面でありながらもきらびやかさを感じさせるのです。舞台となる村は古めかしく、騎士に怯えて人々の表情も暗いです。しかし、そこにメインキャラクターたちが登場するだけで、ぱっと華やかになります。

禍々しい森の中の魔女や、首なし騎士が出てくる「死人の木」など、ぞくぞくしますね。

今たまたま「Bloodborne」というゲームをやっていて、時代背景がかぶるので、余計楽しかったです。衣装とか細かいところまで見てしまいます。単純にこういう雰囲気が大好きなんですよ……。

出演者たち全員がハマりすぎていて文句なしのキャスティング!

ティム・バートン作品はキャスティングが完璧です。

この作品でもそうで、青白い顔で神経質で繊細な物を感じさせるイカボットを演じるジョニー・デップ。村の有力者の娘で、お互いに惹かれ合いながらも、魔女の疑いをかけられてしまうカトリーナ役のクリスティーナ・リッチ。

主役のこの2人が牽引しつつも脇を固める人たちの説得力がすごいんです。
何を置いても首なし騎士を演じるクリストファー・ウォーケンがすごい。頭がないあいだは語らない不気味さですが、首が生えてからのインパクトったらないです。彼以外にはありえないとすら思えます。

この映画が殺伐としないのはクリスティーナ・リッチ演じるカトリーナのおかげです。とにかくかわいい。綺麗。彼女の場合「アダムス・ファミリー」のイメージが強いんですが、金髪の令嬢の姿はとても愛らしいです。
着ているドレスの華やかさもぴったりで、すごく似合ってる。
ジョニー・デップのカッコよさより、彼女のかわいさにうっとりする映画でもあります。

海外ドラマにもなってる

まだ見れていませんが、海外ドラマ版もあります。映画の続編というのではなく、原作である「スリーピー・ホロウの伝説」を元にしたオリジナル作品のようです。

こっちは首なし騎士が現代に蘇る上に、イカボットも現代にタイムスリップ(?)というさらに荒唐無稽な話みたいですね。

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