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【映画】ハンニバル/「羊たちの沈黙」から10年後。逃亡したレクター博士の行方は……?

「羊たちの沈黙」の正当な続編。自由の身になったレクター博士が10年の沈黙を破ってついに表に出てきます。レクター博士と3人の悪党たち、というサブタイトルがぴったりの作品。


ハンニバル

2001年 アメリカ
監督:リドリー・スコット
出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、レイ・リオッタ、ゲイリー・オールドマン

※ネタバレ注意。原作との違いにも少し触れていますので小説版のネタバレも含みます。

あらすじ

バッファロー・ビルの事件から10年後。FBI捜査官として働くクラリスは、自身が取り仕切る麻薬捜査で多数の死者を出してしまいます。マスコミから非難され、FBI内でも問題視されてしまい窮地に陥るクラリス。
そんなとき、ハンニバル・レクターの被害者の1人である大富豪のメイスンから、彼に関する情報提供の知らせが届きます。メイスン有力者とのつながりもあるため、断ることはできません。クラリスは納得いかないものを感じつつもレクターの捜査を開始します。
しかしメイスンはレクターに復讐を企んでおり……。

確かに博士は「悪」だけど……

今回博士の周りには、小物の悪党がうろちょろします。

悪党1人目は博士の犠牲者でもある大富豪のメイスン。博士を捕獲し豚に食べさせる、というなかなか悪趣味な方法を計画中。FBIから指名手配されている博士ですが、それだけではなくメイスンが個人で彼に懸賞金をかけています。

そこへ連絡してくるのが、偶然博士に気づいたイタリアのパッツィ刑事。彼が2人目の悪党です。金に目がくらんだ彼は、博士の恐ろしさの片鱗を感じつつもメイスンに彼を売ります。

そして3悪党の最後は、司法省のクレンドラー。
彼がつきまとうのはクラリスに対してです。昔関係を迫って振られたことを根に持っているかなりの小物。しかしメイスンと懇意にしているため、彼の言うままクラリスを罠にかけます。権力欲が強く、相手をねじ伏せるのが好きなタイプ。

この3人に共通するのは、犠牲になってもまったく同情の余地がないところです。メイスンは首謀者、パッツィは金のために博士を売り、協力させた男を死に追いやります。クレンドラーは嫌らしいセクハラ野郎でむしろ観ている側はスッとしてしまいます。

インパクト抜群の見た目なメイスン・ヴァージャー

冒頭からババーンと登場メイスンの容貌は予備知識なく見たらかなり驚くでしょうね。演じているのはゲイリー・オールドマン。ちょっとだけ登場する回想シーンをよく見ていればわかります。もはや誰だかわからない状態で演じていながらも相変わらず個性的な悪役に仕上がるのがさすがですね。

体が不自由な分、財力をフル活用してレクター博士を追い詰めます。
しかし博士は博士で、自分を囮にして邪魔な追っ手を片付けるという荒技を使うところが2枚も3枚も上手ですね。

原作では彼の妹が大きく関わってきますが、完全にカットされています。妹が担った役割は簡易化されて彼の主治医のコーデルに託されています。

原作から大きく変更されたエンディング

さて、話題になったあの狂気の晩餐に気を取られますが、エンディングの話です。

原作ではまさかのレクターがクラリス攻略成功エンドというまさかの展開で、かなり衝撃的でした。映画が決定した時、原作を読んでいたわたしはこの部分を一体どうするのかがとても気になりました。結果大幅改変でわかりやすく変えられるという当然といえば当然な結果です。

クラリスのレクター博士への想いは複雑で、彼を逮捕したいと思いつつも、殺したくはないという不思議な関係です。パッツィに電話をかけたクラリスとレクター博士が偶然会話するシーンがあります。あの時の博士の口調は新愛に満ち溢れています。

博士とクラリスの不思議な関係

博士は博士で、クラリスに対してなんとも言えない愛着のようなものを持っています。原作では恐ろしいカップル成立になっていましたが、映画では2人の間にはやはり隔たりがあります。
ラストシーンで、博士がクラリスに「私を逃がしてくれ」と言い聞かせる博士の表情は複雑です。あのキッチンのシーンは2人の映画での関係性を良く表しています。お互い譲れない部分があり、平行線で交わらないながらもそれでも相手を傷つけたり殺したりはしたくないのです。

メイスンの農場で助けに入ったクラリスは博士に「妙なことをしたら撃つわよ」(だったと思う)というようなことを言っています。しかし本当に彼女に博士を撃てるのかと考えると、難しいのではとも思うんですよね。原作のエンディングを引きずった感想だとは思うんですが。

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