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【映画】SAW(ソウ)/衝撃にシリーズ第一作にして最高傑作。命をかけたゲームを仕掛けるジグソウの狙いは?

大人気シリーズの第1作。
1作目にして最高傑作になってしまったシリーズですが、衝撃のラストが分かった上で改めて観てもやっぱり面白かったです。この完璧な伏線。ゾクゾクします。
2作目以降も面白いは面白いんですが、やはり1作目がここまでのクオリティだと越えるのがなかなか難しいものです。

まだ観ていません、という方は絶対にネタバレを知らない方が良いんで、予備知識を持たずに映画を見て下さい。
わたしは劇場公開された当時、観た友人の不用意なメールによってオチが分かってしまうという悲劇をむかえました。ホント、メールでネタバレってまじないですわ……。なので、知らずに観るのが大事ですよー!! というわけでこの記事もネタバレ注意です。観た後に読んでね!


SAW(ソウ)

2004年 アメリカ
監督:ジェームズ・ワン
出演:ケイリー・エルウィス、リー・ワネル、ダニー・グローヴァー

※ネタバレ注意

あらすじ

バスタブの水の中で目を覚ましたアダム。溺れかけ、慌てて飛び起きると、そこは古びたバスルーム。自分の足はバスタブのそばのパイプに鎖でつながれています。そして対角線上にはもうひとり、医師のゴードンが同じく繋がれています。そして2人の間には頭を撃ったと思われる男が1人血まみれで倒れています。2人ともなぜここにいてどうして連れてこられたのかサッパリ分かりません。
混乱する2人でしたが、自分たちに宛てられたテープを発見。それにより殺人鬼「ジグソウ」から命をかけたゲームを仕掛けられたことが分かったのですが……。

すべてのことが繋がっていく快感!

この映画の面白さは、もちろんジグソウの仕掛けるゲームの巧妙さにあるんですが、それぞれの登場人物たちの様々な要因が重なって、今の状況を成立させているというところにあります。例えば、ゴードンの家族を拘束する男は結局ジグソウの駒でしかなかったり、不確定要素だった刑事も結局彼らを救うには至りません。
だいたいあの状況に置いて、本当に足をぶった切る展開になるなんて誰が予想したでしょうか? 感情的になった人間はどんなことをするか分からないものですが、ジグソウの策はそれを越えて彼らを操るものです。

刑事はかならずしも味方ではない

リーサル・ウェポンシリーズのマータフでおなじみのダニー・グローヴァーがネジぶっ飛んじゃった刑事を演じています。
よくある映画ではだいたいこのドロップアウトしちゃった刑事がいい感じに動いて解決してくれるんですが、残念ながらこの映画は追う側に都合良くはできていないのです。

相棒をジグソウの策でなくしてしまったことでぶっ壊れちゃった刑事で、ゴードンをジグソウだと思い込んでストーカー的につきまとっています。
相棒がやられるシーンは見ていてキツかった! ジグソウの装置の中ではかなり簡易の罠ですが、やり切れなさはトップクラスです。だって機転もきいて、相棒想いの良い刑事さんぽかったからなおさら。

絶対みんなダニー・グローバーが監禁した犯人を追っていったとき「あ、最後にゴードン先生の誤解とけて、ギリギリ助かる系かな」と思ったはずです。どこまでもセオリーを覆してくれますね。
この映画でゴードン先生の家族ぐらいじゃないですかね? まともに助かったのって。

こちらの先入観すら利用されている

足を切れと言わんばかりに提供されたのこぎりですが、あの場面で本当に足を切る展開って普通はほとんどないんですよ。
映画に置ける主人公補正っていうものってかなり強くて、必ず真実にたどり着きギリギリ命は助かるものっていう見る側も思い込みがあります。この映画は観客側の思い込みや先入観をたくみに利用します。

だからゴードンが錯乱してぶった切り始めた時はこの映画で始めて、画面から目を逸らすことになりました。
ゲームを題材にした犯罪もののミステリは、呈示された残酷な提案をうまーく回避する何らかの手段が提供されているものです。今回はアダムを殺すことを条件にしていましたが、それ以外でも犯人の計画の穴を見つけ出して脱出したりするわけです。

しかしそんな甘い考えはジグソウには通用しません。ゴードン先生が策を巡らせてアダムを殺したと見せかけようとすればすんなりと見破られてしまいます。
ちゃんとゴードンが携帯を持ったままでいれば、妻子が生きていることを知れてもう少し落ち着いた対応もできたかもしれません。このソウという物語の主人公はジグソウなのです。飛び抜けて頭脳明晰な上に主人公補正が乗っかったらもう怖いものなし。かくして、ゴードンは錯乱し足を切り落とすことになるのです。

残酷だし絶望的な映画だけど、後に残るのは騙された壮快感

大どんでん返し的映画は、1つ違えば不満が残ります。綺麗に騙されるよりも「は?」となることの方が案外大きく、最近では「どんでんがえしがあるよー」と事前に告知されちゃってたりするからなおさらハードルが上がります。多くの映画はその上がりきったハードルの下をくぐることになってしまい、観客は不満をおぼえたりするわけです。

前評判が良すぎる映画を素直に「良かった!」と思えたことってあまりないじゃないですか。それと似ていますね。

感情移入のさせ方が微妙なのがかえって良い効果がでています。ゴードンもアダムもタップもイマイチ入れ込めないキャラクターをしていて、「この人に助かって欲しい!」という気持ちはそこまで強くなりません。だからこそ、絶望的なエンディングで、すっきりと「ふわー! 騙された!」と思えるのです。

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