POVくくりの短編オムニバス映画の第2弾です。
短編ならではのネタだったり展開だったりするのが面白い!
ホラーと短編は相性がいいんですよね。
少々マンネリ気味のPOVですが、まだまだ可能性があるよ!というのがわかりますね。好きだから続いていってほしい。
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今回も様々な手法のPOV短編映画が楽しめます
1作目がなかなか面白かったのと、2作目はホラー的有名監督が参加、というのもあって楽しみにしておりました。レンタルしようと思ったら貸し出し中だったりして、意外と世間的な評価があるのかしら、と嬉しく思ったり。
今回もバラエティに富んだラインナップです。POVとしても色んな方法を考えるもんだなーと感心しました。
1作目の感想、レビューはこちら。
ぜひ続いてい欲しいシリーズです。
V/H/S ネクストレベル
2013年 アメリカ
監督:サイモン・バレット、アダム・ウィンガード、エドゥアルド・サンチェス、グレッグ・ヘイル、ティモ・ジャイアント、ギャレス・ヒュー・エヴァンス、ジェイソン・アイズナー
※ネタバレ注意
第1話 TAPE 49
今回のリードタイトル。
行方不明になった息子を探す依頼を受けた私立探偵。調査に向かった住んでいた家には大量のビデオテープと電源が入ったままのモニターとパソコンが。助手がその場に残り、パソコンとビデオテープを確認する事に。
この再生するビデオが今回のそれぞれの作品になるわけです。形式は前作と変わらず、間にこのTAPE49が挟まりつつ順次テープを再生して行く、というもの。
テープ再生がなんかの儀式みたいなもんなのかな。
前回と同じく導入、各話の間、閉めで話が進みます。前に比べると大分見やすくて分かりやすい話でした。特に前作を観ていれば大体オチは読めるんですけど、まぁここはお約束展開、ということで。
第2話 PHASE 1 CLINICAL TRIALS
事故により義眼になった主人公。病院との契約(?)でカメラ機能付きの義眼を入れています。メガネ以上の装着感ですね。
退院した日からなにやら幽霊的なものが見え始め、うろたえまくります。そこに、病院で会った女性が訪ねて来て……。
『見える』ようになった主人公と、『聞こえる』女性。これまさに「死と彼女と僕」じゃん! さすがに監督知らないだろうけど……。ま、話の展開は全く違いますが。
あの幽霊たちがなにで、どうして主人公を襲うのかは分からないままでした。
『聴こえる』彼女が「誰かに酷い事しなかった?」と言っているから、なにかしら主人公に関係ある死者なのかなーと想像。
自分の家って、絶対的な安全圏だと思ってるものですよね。なのにいきなり自宅に幽霊出始めるとか悪夢以外の何でもない……。寝たいのにベッドになにかこんもりいらっしゃる……無理。
目にカメラが、ということで途中でえぐり出すのは分かってたけど、分かってたけど! きっつい展開でございました。
第3話 A RIDE IN THE PARK
昼下がりのゾンビ……じゃなくて早朝ゾンビ。
朝のさわやかな公園を素敵にサイクリング!と思ったら突如出くわすゾンビ。噛まれた主人公は逃げ惑い、ゾンビへと変化し、人を襲い、新鮮な肉を求めてさまよい、さらに人を襲う。主人公のヘルメット(自転車なので)にくっつけたカメラの映像なので、ゴア描写も超至近距離。
ゾンビどこから来たの? とか細かい所を完全にすっ飛ばすお話。巻き込まれ型ですからそれもありです。ゾンビ映画のひと場面と思えば不自然でもないですよね。世の中沢山ゾンビ映画がありますが、話の過程でゾンビ化した人たちはなんにも知る事なく亡くなって行くわけですから。
なのでこの話の主人公はきっと別にいて世界を救うために奮闘してくれるはずです。「……かゆ……うま」のなかの1人にクローズアップ! な第3話でした。
ゾンビ増殖シーンはコメディタッチで作品の幅が広いです。
ギャグベースか……? と思いきや、あのラストですよ。良作です。
第4話 SAFE HAVEN
カルト教団に取材しに行ったTVクルーが巻き込まれる惨劇。
あきらかに怪しげなカルト教団を取材しに来たTVクルーたち。それぞれの人間関係が錯綜しつつ、訳が分からないまま巻き込まれて行く可哀想な人たちの話です。
取材のためのカメラメインであちこちきり変わりつつ話が進みます。 そのせいか編修感が出て他と比べて作品らしく仕上がってます。POV特有の生々しさは薄めでしょうか。
終末論的なものなのでしょうか。みんなで天国へ行きましょう、という具合に集団自殺しだすのは不気味でした。超自然な事は置いといて、こういう現場に巻き込まれるのをゴッテリ描いてもかなりホラーじゃないのかな、とも思ったり。
撮影班のリーダーが偶然親友と婚約者の浮気を知っちゃうくだりはいくらなんでも偶然にもほどがある。どちらかというとそれを彼が知ることよりも、彼女のお腹に子供がいるんだよ、それの父親はこの人じゃないんだよ、というのを入れたかったんだよね。なにしろあの結末だしなぁ。
産まれた悪魔的なアレがもうまさに悪魔的なアレで、もっというととっても着ぐるみ感があるのはご愛嬌でしょうか。死体とかグログロ系はしょぼくないのに、アレの登場で衝撃的にチープになる。クリーチャーにリアリティ持たすって難しいんですよね、きっと。
余談ですが、あのカルト教団の教祖様、途中で「有吉に似てる……」と思っちゃって全然集中できなかった。なんか有吉さんごめんなさい。
第5話 SLUMBER PARTY ALIEN ABDUCTION
タイトル通り、Mr.グレイ。エイリアン・アブダクションな話。
両親が不在の間にはしゃいでるティーンエイジャー。そこに突如現れるエイリアン。
これがもうそのまんま、Mr.グレイなのです。なのでぜんっっぜん怖くはない(笑) 犬にくっついたカメラが撮影、というPOVも色々考えるねーって関心。でもワンコ可哀。だから止めてあげて。
正直最後がこれでは締まらないなーと思いました。個人的に、宇宙人出てくると冷めるんです。
それと、犬搭載カメラなので、ブレがすごい。観ててキツい……。
トータルの感想
今回も素敵に楽しませてくれた2作目。この調子でやってくれたまえ、と言いたくなる面白さでした。
やはり短編の良さは、飽きる前に話が終わる、唐突に始まって唐突に終わる、しかしそれがいい!というところ。このシリーズはPOVという手法にのみこだわっているため、てんでバラバラでもそれなりになんとなくまとまってみえるのが不思議です。
リードタイトルが分かりやすくホラーだったので、むしろ安心して観れました。最初と最後にくるので、こういうのはベタにやってくれる方が余計な事考えなくていいので楽です(言い切った)。
ほら、最終話ってやっぱり作品のイメージを決めちゃうものですから、特にオムニバスでは重要なんですよ。
血の本形式はいい作りですよね。続編、お待ちしてます。
※追記
3作目で完結しました。
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