日本のホラー映画ってどこまでいってもB級扱いですけど、海外のホラーってたまにこう手堅い俳優さんぶつけてきますよね。わたしが洋画を好むのはこの辺です。
あとは演技が下手でも洋画ならあんまり気づかないから余計なところで気が散らないところ……。棒読みとか英語だとわかんないもんね。うん。
話が逸れました。
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あらすじ
家族とともに新しい家に引っ越してきたノンフィクション作家のエリソン。この家で実際に起きた事件の本を執筆するためです。
引っ越し当日、エリソンは屋根裏で8ミリフィルムを発見します。そこには、この家で起こった事件の様子が撮影されていて……。
フッテージ
2012年 アメリカ
監督:スコット・デリクソン
出演:イーサン・ホーク、ジュリエット・ライランス、フレッド・ダルトン・トンプソン
※ネタバレ注意!
屋根裏部屋で見つけた意味深な8ミリフィルム。再生したらトンデモねー映像だった!
ファウンド・フッテージをモチーフにして、一家の惨殺事件を描いています。
事件の犯人はもちろんですが、この見つけたフィルムの存在が一体なんなのか、も大きな謎の1つです。
どれも家族の楽しそうな映像の後に酷い映像が収められており、一見つながりのなさそうなそれぞれの事件がどう繋がるかがポイントになっています。
果たして映像に残されている家族たちはなぜ、誰に殺されたのか。犯人の目的とは……?
というホラー的な話なのか、謎解きミステリなのか微妙なラインでお話は進みます。
はっきりしたグロ映像はありませんが、妙に生々しい8ミリの映像がはゾッとします。特にエリソンが引っ越してきた家の事件の映像は何度も見たいものではありませんね……。
何回もみせられるけどね!
エリソンさんの実情とギリギリの内面
昔ベストセラーを出したものの、今はそれも過去の栄光。一発逆転を狙って事件のあった家に引っ越したものの、イマイチいいものが書ける感じじゃありません。
フィルムを発見して、一度は通報しようと考えますが自分の書いた昔のベストセラー本が目に入り思いとどまってしまうのは皮肉です。
お引っ越し自体がそもそもとして事件解明のためもあるんでしょうが、今まで住んでいた豪邸で暮らせる経済状況じゃなくなった、というのも大きいんです。
なんつっても殺人現場と言う最悪の事故物件ですからね。そりゃ格安。
家族に微笑ましく応援されつつも、奥様はあんまりこの仕事は好きじゃないんだな、というのが随所にちりばめられています。理解しようとはしているものの、そりゃ普通はパパの仕事場に殺人現場の写真とかバシバシ貼られてんのは嫌でしょうよ。
奥さんは嫌だと思っていても、子ども的には好奇心の方が勝ってきますし。
わたしもお父さんが家でそう言う資料広げてたら興味津々ですよ。
エリソンさんはというと、そんな奥様の心配と子どもたちの敏感な変化(発作とか)をよそに、どんどん事件にのめり込んで行きます。そりゃそうよ。全開のベストセラーなんて目じゃないレベルのスクープになるかもしれない案件ですからね。で
「被害者たちのため」という大義名分を掲げていますが、そのあたりを語った過去の映像が非常に皮肉なところで登場します。
もちろん「書く」事の様々な要素の1つでもあるんでしょうが、大部分を占めるのは多分別のところだろうな、と。そりゃね、上等な思想だけでご飯は食べられないし、生活は出来ませんもんね。
過去の建前語りをするエリソンさんも大嘘ではないんでしょう。それはベストセラーを出した直後だからこそでた言葉で、結局のところ困窮してもその思想でやっていけるのか、というのが今現在突きつけられているわけです。
自分のピーク時のインタビュー映像を観てるシーン、マジで痛々しすぎます……。
そんなこんなで、主人公エリソン自身も崖っぷちな立場で後がありません。だからこそ、この一発逆転にも近い映像資料にこだわり、自分の力で謎を解こうと考えるわけです。
何で家族にバレないんだよ! というツッコミは常に頭の中にちらつく
この家に何かを感じ、それぞれが過敏に反応する子どもたち、その子どもたちの反応に怯える奥様。そんな家族をよそに、異変を感じつつ今までにないスクープにテンションが上がるエリソン。
そしてついに家族にこの家で事件が起きた事がバレます。
いや、バレるよ。
普通に学校とかで言われるんじゃないですかね? 奥様も「あなたの書斎に入ったのよ!」とテンションマックスで怒ってますけど、ちょっと気づくの遅くない?
にしてもあの夫婦喧嘩のシーン、奥様のご意見もちょっと「えええええぇぇえ」とは思いました。ハイ。
だって分かってて結婚したんだよね……? ベストセラー作家の頃はまだ未婚だったみたいだし。結婚してみて色々と弊害があったんだろうけど、ちょっと酷いんじゃあ……。
まぁ、家族に内緒で事故物件に引っ越してくるエリソンさんが最悪なのは確かですけどね! わたしだって嫌だ。
色々ありましたが、そこそこ楽しめます
ホラー映画でありながらも、8ミリに収められた事件の共通点や犯人についてを探るミステリー的な要素もたっぷりで、先が読めません。
お子様たちは「前の家に戻りたい」と声を上げます。奥様は「この家に引っ越してからあなたはおかしくなった」言います。「この家を出よう」というそれぞれの主張がまた皮肉にもラストに繋がって行くわけで、ホラー的に逃げ場なしって所でしょうか。
この映画の見所はのひとつはイーサン・ホークの超ビビリ演技。
そんなに怖いなら電気つけなよ……。
幽霊ともなんとも言い難い子供たちの姿はぶっちゃけビミョーで、あれはいらなかったのでは、と思ったり。あそこだけ浮いてるかな。
グロ要素は抑えめで、ヒャッハーな物をお望みの場合は肩すかしを食うかもです。