あの「銀の匙」はリアルだった?! 漫画みたいな実話たち。
作者の荒川弘さんの実家は北海道で農家を営んでいるそうです。そんな農家の日常的なあれこれや、現状などをおなじみのギャグたっぷりに描いたのが「百姓貴族」です。
そこでは「銀の匙」で「漫画だしね」と誇張だと思っていたあれこれがかなりリアルな話だったことを知ることができます。
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農家の刺激的な日常……。
例えば、
帰宅すると玄関に撃たれた鹿(知り合いの猟師さんからのプレゼント)
差し入れでさらりといただくゴミ袋いっぱいの夕張メロン
目を剥くほどに美味い殺菌前の牛乳(自己責任)
家族総出で働きまくるブラックすぎる環境(家による)
などなど……。
漫画家デビューのための原稿書きのところなんてすごいです。体力底なし。どんな環境でも描こうとする人は描くんだな……と認めざるをえません。パワフルです。牛の毛の涅槃はわたしも味わってみたい。
家族も強烈で、特にお父さんに注目です。
ハリウッド顔負けのアクションすらこなすお父さんのアバウトな子育てが凄まじいです。荒川家の兄弟が全員無事に育ったのが不思議なほどにアバウトです。トラクターに轢かれかけるとか、牛糞まみれになるとか、日常怖すぎです。
ギャグにまぎれて農家の厳しい現実もあったりして。
面白おかしく描かれていますが、田舎の現状とか、農家の借金の話とかも触れられています。
百姓貴族、とひと口に言っても、本当に貴族レベルの人もいれば、自転車操業レベルの人もいるわけです。廃業とかもありますからね、そこらへんの現実の辛さもあるんだろうな、というう部分もちらりと描かれています。
しんどいことも笑い飛ばす力のある漫画で、辛いこともしんどいこともひっくるめて「農業きっついけど良いよ!」が詰まってるなぁと感じました。
「銀の匙」は主人公たちは高校生ですが、それでも見える自分たちの家の現状とか今後のことが重く乗っかっているのがわかります。
「銀の匙」と合わせて読むとまた理解が深まるんじゃないでしょうか。
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