ジャンルホラーではありません。
あまりにもリアルな遭難の描写に観ているこっちの精神も削られます。
もっとセンセーショナルに、エンタメ色を強めることはできたんじゃないかと思うんです。あえて、ここまで現実的に絶望を映し出したんじゃないかと。
エンタメなサメ映画とは全く違う恐怖を描いた作品です。
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あらすじ
バカンスを楽しみにきた夫婦。
ダイビングのツアーに参加し楽しんでいたが、時間になり海の上に戻ると、自分たちを乗せてきた船がいなくなっています。自分たちを置いたまま船は港へと戻って行ってしまったのです。
陸地も遠く、泳いで帰るのも絶望的な状況で2人はただただ救助を待つしかないのでした……。
すごく、こわい。
オープン・ウォーター
2003年 アメリカ
監督:クリス・ケンティス
出演:ブランチャード・ライアン、ダニエル・トラヴィス
フィクションとノンフィクションの境目にあるような映画
正直、わたしも当初かなり下世話な好奇心でこの映画を見始めました。パッケージを観れば分かりますが、主人公たち2人の周りを取り巻くサメです。このパッケージを見て、期待するのは1つでしょう。
が、それを期待してみるとこの映画は肩すかしを食います。そっちを売りにしているのなら、ジャンルはパニックかホラーあたりでしょう。ですが、この映画はただただ淡々と海に取り残された2人がたどる末路を映し出すだけなのです。
映画が始まって数十分。ダイビングツアーに参加し、泳ぐ2人。ほどなくして海のど真ん中に取り残されます。そこから延々と海を漂うしかないふたりの絶望的な映像を見せられるのです。
せめて、ボートで漂流とかいうのなら良かった。2人はダイビングスーツに身を包み、ボンベがあるだけでそれ以外は食べものも、水も何もありません。体を水から上げることもできないのです。
サメは時折あらわれ、2人を脅かしますが、ジョーズ的な襲い方はしません。こういうものなのか、生物的にどういう理屈なのかは分かりませんが、映画ほどああも攻撃的に襲ってはこない種類もいるのかもしれませんね。死骸しか食べない動物もいますし。
なので、不謹慎ながら「海に取り残される」「サメに囲まれている」というシチュエーションで期待されるようなことはほとんどおこりません。
むしろ、そうなってくれた方がよっぽど気楽に見れたかもしれない。そうしたらフィクション色が強まるからです。
というのも、海に取り残されてからはずーっとヒリヒリとした緊張感が続くのは観ているこちらもかなりのストレスです。ただ海の上に浮いていることしかできない。助けを求める術もない。泳ごうにも方向が分からない。打つ手が全くないのです。
事態はじわじわと2人の体力を奪うことで悪化して行きます。多少の海の生き物によるトラブル、サメのからみもちょっとありますけど、結局2人を追いつめるのは消耗なのです。
そのあたりが本当にリアルで、すごく疲れます。
パッケージには「海に伝わる最も怖い実話」とあります。
本当にこういう事故があったかは定かではありませんが、それも納得のリアリティです。
完全なフィクションとは違う描写がシャレにならないので、気分も重くなりますね。でも観ておいて良かったです。
精神に余裕のある時に鑑賞することをおすすめします。
続編らしきものもたくさん出ていますが、ちゃんとしてるのとそうでないのとの落差が激しいようなので、そちらも鑑賞する方は内容を確認の上お選び下さい。
わたしは観ていないのですが、2作目もそう評判は悪くないようですね。2は予告編観てゲンナリして観るの止めたんですが、意外とまとものようで……。こんどチェックしてみますかね。
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