ジャンルとしてのホラーというのは分かりやすいです。ホラー映画、と言われてイメージするものって「違うよ!」ということってあんまりないですよね。
しかしSFはどうでしょう。わたしはSFはかなり範囲が広いと思っています。詳細なジャンル分けって難しいものですが、単純にレンタル店に行って、SFの棚を眺めるとそのジャンルの幅広さに驚きます。
だって、エイリアンとハリーポッターが同じジャンルなんですよ。その中にパンズ・ラビリンス一緒に並んでいたら、そりゃあ大事故起こす人多発ですよ。あのジャケ、騙されるよね。わたしは知ってて観たけどな!
どうやらSFとファンタジーはごっちゃに置かれるようですね。謎……。
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SFとホラーは相性がいい
とまぁ懐の深いSF映画なんですが、わたしはSFとホラーは大変相性がいいと思っているのです。先ほど例にも上げた「エイリアン」がいい例ですね。
ライトなSF好きなので、ゴリッゴリのSFマニアの方からすればなに言っとんじゃ的な話かもしれません。
が、やはり「恐怖」というものにクローズアップすると、SFはやはりホラーと近いものが内包されているんです。
未知のものがたっぷりある宇宙。そこに感じるのは希望だけではありません。どちらかと言うと不安や恐怖の方が強く感じるんですよね。
ラヴクラフトの小説も、SFの側面が多いので恐怖と宇宙とは相性がいいのだと思うのです。
ではいってみましょー。
1.エイリアン
宇宙貨物船のノストロモ号。地球へ戻る途中、知的生命体からと思われる電波を受信します。会社の命令で捜索に向かう乗組員たち。
そこで死亡し石化した宇宙人を発見します。さらに探索を続けるとその下に卵のような物体が並んでいます。そのひとつから飛び出した蜘蛛のような生き物がひとりの顔に飛びつき離れなくなってしまいます。
船へと戻った数時間後、自然とその生き物は外れ、飛びつかれた乗組員も意識を取り戻します。ホッとしたのもつかの間、そこから更なる恐怖がはじまるのでした。
言わずと知れた名作中の名作。もう説明するのもヤボって感じです。
お腹を食い破るシーンが印象的ですが、どちらかと言うとアンドロイドの暴走の方が不気味で恐ろしく感じました。流血シーンも意外と少なくて、エイリアンにもみんなするりと攫われて行く方が多いですね。
それにしても、閉鎖された空間内にアレと同居するってだけで、かなりの恐ろしさです。
4作目まで製作されていますが、作品ごとにエイリアンも進化して行きます。アレが進化するんですよ。最高だよね!
賛否ある続編たちですが、それぞれがなかなかに個性的でいいと思うんでがね。個人的には2がイチオシですが、4の化け物っぽいリプリーも捨てがたい。
主演のシガニー・ウィーバーがどんどんたくましくなっていくところに注目! 4で最強になるから。
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2.遊星からの物体X
南極の観測基地を舞台に、謎の生命体との攻防を描いています。
人間を取り込み、その人自身に成り代わって潜む、という乗っ取り系です。隣にいてフツーにしている仲間が、まったく別の生き物かもしれないという不安。自分もいつ乗っ取られるか分からない恐怖があります。
特筆すべきは、「それ」だと分かったときの人間から異形の物と変形して行く姿。特殊メイクをフルに活用したグロテスクなそれは、観ている者の度肝を抜きます。心臓マッサージのシーンは初見で衝撃的でした。
1982年の映画ですが、その古さすら味になるすごい映画です。
30年ぶりに前日譚が制作されると言うすごいことまで起きています。
きっちり前日単に仕上げてくれているので、ファンならこちらも必見です。なにしろ30年前の作品に対するリスペクトがすごい! リンクする場面も多い上に整合性も取れているので、なんちゃって続編よりずっといいですよ。
ジョン・カーペンター作品はジャンルを跨いで面白いからいい。
SFではないけど「マウス・オブ・マッドネス」もいいぞ……。「イベント・ホライゾン」のサム・ニールがいい味出してます。
感想記事はこちら
3.イベントホライゾン
ポール・W・S・アンダーソン監督のSFホラー作品。
メチャクチャ面白いのに隠れた名作扱いになっています。ホラー展開がキッツイからかな。
宇宙で7年前に行方不明になった「イベント・ホライゾン号」が発見され、調査に向かうことになった宇宙船の乗組員たちが、とんでもない目に遭う話。
イベント・ホライゾン号にはコアと呼ばれるワープできる装置が設置されており、それにより未知のエリアまで行くことが可能になると言うのです。しかし、極秘に出発したイベント・ホライゾン号はその後連絡を絶ちます。そして7年後突如として姿を現したというのです。
無事イベント・ホライゾン号を発見しますが、その内部は荒廃しコアだけが不気味に稼働しています。航海記録を調査すると、そこにはイベント・ホライゾン号の乗組員たちの狂乱する姿の断片が映し出されていました。
そして、船を調査するうちに乗組員たちは船の中で幻覚を観るようになります。
果たして、イベント・ホライゾン号に何が起こったのか。
コアを開発した博士役のサム・ニールの怪演が見物です。
感想記事はこちら
4.サンシャイン2057
2057年、人類は太陽の衰えにより、滅亡の危機にありました。
宇宙船イカロスはその太陽を復活させるために核爆弾を打ち込むために出発しました。その途中7年前に同じように出発し、行方の分からなくなっていたイカロス1号からの救難信号を受信します。討論の結果、救助に向かうことにした宇宙船イカロス。
ところが、軌道修正の際のミスのために船は大きな損傷を受けてしまいます。
ここでこの映画を上げるのは少々ズレているように感じるかもしれません。あらすじ的にもSF人間ドラマだと思うでしょ?
ところが違うんですね。わたしも最初そう思ってたんですが、予告編の急な方向転換にガッチリ掴まれました。
この急激なホラー展開に「?!」となる人がほとんどのようです。これがアリかナシかでこの映画の評価はまっぷたつでしょう。
この映画にどことなく漂う暗く沈んだ空気がいいんですよね。
感想記事はこちら
どれもこれも大好きだ!
好みで選んだ4作でした。
好きな映画10本上げろと言われたらどれも入れたい作品ばかりです。好きじゃなきゃ勧められないからね!
この4本が好きなSF好きは、逆にホラー方面に手を出しても楽しめるんじゃないでしょうか。ホラーもなかなか懐が深いジャンルですが、SFの幅広さもすごいですね。