3作目で亡くなったはずのリプリーがまさかの復活! びっくりですよね。
3で終わってたら綺麗なのかもしれませんが、こういうのはキライじゃない。というか、シリーズでもけっこう好きな作品です。この映画のリプリーかっこいいんですよねー。
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あらすじ
惑星刑務所でエイリアン・クイーンを体内に宿していたリプリーが亡くなってからおよそ200年後。
軍の宇宙実験施設でクローンとして再生されたリプリー。体内からエイリアンを取り出すことが目的です。エイリアンの摘出後リプリーは生かされ、軍の管理下に置かれていました。
再生する段階でエイリアンのDNAと融合し、人間離れした能力を持つようになります。混乱はあるものの、以前の記憶も保持しています。
そこに軍からの依頼で荷物を輸送しにきた貨物船ベティが到着します。ベティが運んできた荷物は、エイリアンを寄生させるための人間です。
繁殖したエイリアンたちは軍の監視下に置かれ、研究されていました。しかし、自らの強い酸性の体液を使うことで脱出してしまいます。
エイリアン4
1997年 アメリカ
監督:ジャン・ピエール・ジュネ
出演:シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー、ロン・パールマン
無茶すぎる設定にビックリするけど、荒唐無稽さがむしろぶっ飛んでて楽しくなる
まずリプリーがクローンで再生って時点でマジかよ。3のラストに感慨深い想いを抱いたのはなんだったの、と感じるでしょう。
この作品の成功要因は、どう考えてもリプリーの存在です。
シガニー・ウィーバーが出てくれて本当に良かった。違う人だったら一気に興ざめです。
歴史に名を刻むクソ企業として名高いウェイランド社も今は昔。エイリアンはなんと軍によって再生されることになります。
軍の管理下にある宇宙実験施設は、非人道的なことにも目をつむるウェイランド社とも勝るとも劣らないクソっぷりでした。
エイリアンを生み出すためにはもちろん人間が必要です。ということで、金さえ払えば何でも手に入れますよ、みたいな印象の宇宙貨物船ベティがそれを引き受けることになります。
無事に運び込まれた荷物は、滞りなくエイリアンの繭として使用され、トータル12体のエイリアンが誕生します。
2よりはマシだけど、12体ってけっこう厳しい数ですね。どうして1、2体にしとかないんだか……。
ということで、今回はその宇宙実験施設にいた軍の人と、宇宙船ベティの乗組員たち、そしてエイリアンの繭にされた人とで脱出することになるのです。
無法者な印象のベティの乗組員たちですが、どっちかというとそれよりも軍の人間たちの方がクソで、ウェイランド社の非道さをしっかり受け継いでいます。
人間離れしたリプリーに惚れる
この作品の最大の見所は、3までとはまったく違うリプリー。
エイリアンの遺伝子で強化され、肉体的にも精神的にもタフになっており、その血液は酸。
みずからが倒してきたエイリアンと最終的に融合するような結果になるというのも皮肉な話ではあります。
しかし、この作品の良いところは、そこに悲壮感が漂っていないところです。
途中、自分と同じクローンたちを目の当たりにするシーンはありますが、それ以外で、彼女が自分の体に対して嫌悪感を抱いている様子はありません。
そのせいかとても達観した印象があります。
キャラクターとしては別人のようでもあり、しかしリプリーの片鱗は残っている、というところ。
もうひとりの主人公、コール
今回、リプリーともう一人主人公がいます。
それがベティの乗組員だったコール。
彼女は、リプリーを殺すために、宇宙船ベティの乗組員になり、研究施設までやってきました。
結果、そのコールの行動のせいで、軍から裏切りの疑いをかけられベティの全員が抹殺されかけるという事態に陥ります。
後先考えないお嬢さんです。正義感バリバリですが、行動がとんちんかん。その理由も後に明かされます。
異常な状況下で、ものすごく普通にまともな事を言う人です。彼女とリプリーの対比も面白いですね。
彼女を殺すために潜入したということもあり、最初は一緒に行動することを拒みますが、仲間にあっさり却下されます。
そんなコールをリプリーがからかうようなシーンもあったりして、緊迫した状況でのふたりのやりとりが場違いでいい。リプリーが昔と違う、というのもよく分かるシーンでもあります。
これまでリプリーが担っていた良心的な部分を彼女が引き受けている構成ですね。
シリーズ最終作、でいいのかな
シリーズの終わり方という意味では、3のエンディングで終了するのが美しい気がします。
しかし、1作目でエイリアンと遭遇して以来、闘うことを強いられてきたリプリーが、新たな希望を持って生きられるような示唆がある今作は良い映画だと思うんです。
エイリアンの遺伝子を持つ彼女が、このあとまっとうな人生を送ることができるのかというと難しいでしょう。
でも、性格も大分剛胆になってるし、あのままコールやベティの乗組員たちと上手くやっていくのもありじゃないかなって。
エイリアンシリーズも、前日譚であるプロメテウスへと移っていますから、エイリアン5が制作される可能性は薄いでしょう。
リプリーの長い戦いがようやく終わったのだと思います。
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