色々と雑さが目立った2作目からきっちり続いた3作目です。というのも、物語のオープニングはしっかりと前回のエンディングから続いているからです。
そうは言っても、続編ぽい感じで進むのは序盤だけです。あとはエイリアンの存在だけが継承されているだけで、前作を知らなくてもフツーに観れます。
覚えてなくてもそこまで問題ありません。前作の登場人物たちも出てきませんので。
まぁ、シリーズ続けて一気に観るなんて奇特な人間もわたしぐらいでしょうかね……。
スポンサーリンク
あらすじ
前作で宇宙飛行士に寄生したエイリアンと戦い亡くなったイヴ。しかし彼女は搬送する車の中で息を吹き返し、子どもを出産します。
軍人に成り済まして車を運転していたアボット教授は、子どもを連れ帰りサラと名付けて育てます。教授はサラの卵子を利用して、完璧なエイリアンを作り出そうとしていたのです。
しかし、博士の元に人間との混合種のエイリアンが現れます。彼らは人間とのハーフであるが故に遺伝子に欠陥があったため、サラの完璧なDNAを欲してます。
訪れた男はすぐに死亡してしまいましたが、彼の仲間がサラを探しにくるのは確実。
困った教授は優秀な学生のディーンを仲間に引き入れ、研究を急ぎますが……。
スピーシーズ3 禁断の種
2004年 アメリカ
監督:ブラッド・ターナー
出演:サニー・メイブリー、ロバート・ネッパー、ロビン・ダン
トンデモSF映画の3作目
死んだと思われて搬送中だったイヴが息を吹き返し車内で出産。さらにそこにはパトリックが作った子どものひとりが乗っていて……という始まりです。
調べたら6年ぶりの新作だったようで、そんな「誰も覚えてねーだろ」という細かなところをしっかり押さえて続編を制作しているスタッフの細かさ。
さらにイヴの出産シーンはきっちりナターシャ・ヘンストリッジが演じています。律儀だなー。
教授とサラの不思議な親子(?)関係
この映画は全編を通して関係性が不可解で曖昧なまま進みます。
教授はサラを娘のように育てますが、あくまでも研究動物のように思っています。
しかし、サラに対して自身がいかに特別な存在であるかを説くなど、親のようにも感じられるシーンもあったりします。混合種のエイリアンに襲われたときも、最初はサラごと始末しようとしますが、ディーンに「サラを連れて逃げろ」と言うなど、多少の情を感じさせる場面もあり、よく分かりません。
研究にはサラの存在が必要ですが、あの段階でもう卵子はあるし、最初は本当に見捨てようとしてたんですよね。あの助けるところはディーンのためって感じもしますので、やっぱりサラに対してはそこまでの想いはなかったのかな。
4では本当の親子のような関係性になっていたのに比べると、やはり淡白な関係に感じました。
ただ、貴重な種が滅ぶことに関してはかなりの熱意があったようなので、少なからず種としての彼女に対する想いは確かにあったのでしょう。
そして主人公ディーン
サラに対してちょっと気のあるそぶりを見せたりする場面があったりと、シリーズ初、人間とエイリアンにラブ的なものが生まれちゃうかも?! と思わせる展開にドキドキ。まぁほら、かわいいからクラっときちゃうのもしょうがないですよ。
教授から釘を刺されたりしたので「サラはエイリアン」と一線は守るディーン。でも教授のように実験動物のようになんて扱えずにいたりとグラグラしまくってます。
サラはこのシリーズのなかでは珍しくちゃんと話が通じる相手です。教授の放任主義な教育方針が良かったのかもしれません。ディーンとも大した人間関係を築いているようには見えませんでしたが、なんだかふんわりと心が通じ合ったりしてるんです。
なんだ、この映画今までの路線と違うんじゃね?
イヴはローラと友好関係を築いていながらも、本能が勝ってガラスブチ割って逃げています。どちらかというと、サラの方が純正のエイリアンに近い分動物的なはずなんですけどねぇ。
サラがディーンに対して何を思っていたのかは濁されて明かされることはありません。恋愛感情というものでもなさそうだし、サラの中のごくわずかな人間の部分(イヴから受け継いだ)が反応しちゃったのかな。
本作のセクシーエイリアンはサラちゃん
イヴの娘っていうだけあって美人かつスタイル抜群。
しかーし、わたしはやっぱり1作目のナターシャ・ヘンストリッジには敵わんなーと思ったのでした。美しさと無垢さと凶暴さのバランスが絶妙だったので、こればっかりは難しい話です。
これまで気に入らないものぶっ殺しまくっていた彼女たちでしたが、サラはその辺控えめですね。
繁殖のために相手を捜していますが、人間には興味がありません。彼女が求めるのは同じエイリアン。日夜町をさまよう彼女ですが、余計な殺戮はしません。
もしかすると、人間のDNAが少なめな分逆に凶暴性は低いってことでしょうか。
実際、サラを追ってやってきた混合種たちはどえらく凶暴です。人間のDNAが混ざることで凶暴性が増すんだったら、なかなか皮肉な設定ですが、そこまで考えているかは微妙。あのエンディングに向けてちょっといい子にしただけだったりして。
余談ですが、今回のエイリアン役のサニー・メイブリーはわたしの大好きな映画「スネーク・フライト」のCA役の子です。
最終的につじつま合わせをしてくれる便利な政府の人
お前らの研究が原因だろー!と突っ込みたくなるほどに何にもしねー。ここまで働かない政府の人も珍しいですね!
とりあえず、終わった後のもみ消し工作だけは期待できる感じです。行方不明者は出てるわ、エイリアンの死体はあるわで大変だもんな。うん、処理してくれる人は大事。
……大人の事情が前面に出過ぎてて切なくなりますね。映画の中まで現実が押し寄せてくる。
政府のおじさんが、政府ももうこの件に金をかける気はない、みたいなことを言ってて笑っちゃいました。
いや、気持ちは分かるけどお前ら原因だしな……。