面白い面白いとは聞いていたんですが、前評判が良いとかなり警戒してしまうのが映画好きの常です。
しかしこの映画はそんな先入観を軽ーく飛び越えてくれる作品です。
ただ派手なだけのアクションには飽きた、という方にオススメです。
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あらすじ
どの国家からも独立した諜報機関であるキングスマン。表向きはロンドンの高級テーラー。そこに所属するハリーは、17年前に仲間と自分を守って死んだリーの息子であるゲイリーをキングスマン候補生としてスカウトします。
チャンスを与えられたゲイリーは今の生活から抜け出すために試験に挑みます。
一方、ハリーと同じキングスマンの1人が誘拐された教授を救出しようとして殺害され、ハリーがその事件に関して調査しています。
事件の裏に実業家のヴァレンタインの影をつかみ、接触を試みるのですが……。
キングスマン
2014年 イギリス
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、タロン・エガートン、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ストロング
※ネタバレ注意
あまりにも壮快に繰り広げられる殺戮に思わず笑ってしまう
正義のヒーローと言えば、悪を倒して一般市民を救うものです。
中盤で繰り広げられるハリーによる教会での大混戦バトルはかなり面白い。一般市民が犠牲になりまくっている!
敵の策略というか敵の装置によるものではありますが、普通の映画だったら主人公にここまでせることもないでしょう。いやービックリした! しかもこのシーンが最高に面白いしカッコいい。
アクションがいいから壮快感もすごくて、映画におけるアクションの良さは相手がどうとかあんまり関係ないのかもしれないとすら思いました。
終盤の埋められたチップが発動するシーンなんて、凄まじい大量虐殺なはずなのにあまりにも陽気。全員ヴァレンタインの支持者なわけで、同情の余地がないのも分かりますがあまりにも思い切りのいい演出。好きだ。
アクションとグロはギリギリのバランスを保っているのもすごい。これ以上グロを強めたら拒否反応を示す人が多くなる寸前で抑えられています。だからこそ、壮快感のほうが勝るのです。
悪役がサミュエル・L・ジャクソン演じる大富豪だから面白いに決まってる
自分なりの理念はありつつも、終始陽気なブラザーなサミュエル演じるヴァレンタイン。
言ってしまえばテロリストなわけですが、各国の有力者からの指示を得てしまうのも納得のチャーミングさ。ラスボス的立ち位置ですが、本人が血が苦手だと言う通り、実際に手を下すことはほとんどありません。
IT事業で成功し、独自の理論を提唱するなかなかの好人物。正直支持者が増えたのも理解できる。発想が豪快で極端すぎるけど、迷わないで突き進む揺らがなさすら魅力です。
戦闘能力は皆無っぽいのがまたいいですね。
やることは過激だけど威圧的な態度をとることはほとんどなく、終始にこやかに陽気。それを不気味な演出にはしていません。
だいたいにこやかな悪役は、その笑顔で周囲を威圧します。しかし彼は最後まで陽気なブラザーで徹底。
ここまで腹の立たない敵って珍しい。
悪役がいい作品は魅力が倍増する
すっごいカッコいいのがヴァレンタインに付き従っているガゼル。部下なのか秘書なのかボディガードなのか分かりませんが、凶器も兼ねた義足のアクションがすごい!
悪役についているタイプの女性キャラクターではかなり異色。黒の衣装に黒髪、色気を感じさせないストイックな雰囲気がまたいい!
ヴァレンタインとの関係性もかなりフランク。
彼女のキャラクターもあるけど、ヴァレンタインの方がボスとして異色なキャラクターだからでしょうね。
続編がまちどおしい!
ハリーとゲイリーの関係は師弟や疑似親子のようにはなりません。
できれば2人が協力してバトルするシーンが観たかったけどそうはいきませんでした。最後までハリーが出てくるんじゃないかと思ったんだけど、そうはいきませんでした。しゅ……主役だよね……?(涙)
続編が製作されており実は生きているらしいので、成長したゲイリーとハリーの共闘は次回にお預けというところでしょうか。
完全に死んだ扱いになっていたので、どういう復活を遂げるのか楽しみです。
おもいっきり射殺されてましたからね……。スゲー近くからね……。
007なんかのスパイ映画へのオマージュがたっぷりのようで、好きな方には楽しい小ネタが仕込まれているようです。わたしはまったく分からないのですが、メチャクチャ楽しめました。知ってればより楽しめる、というところ。
なによりスーツとメガネが最高なんですよ。コリン・ファースあんまり興味なかったけど見る目かわる……。