小学生の頃、学校の図書室はオアシスでした。読んでいたのは今と変わらず怖い系。自然と民話や伝説の本に流れていきました。
そんな本たちの中でひときわ強烈に印象に残っているものがあります。
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「少年少女・類別 民話と伝説」シリーズを知っているか?
学校の図書室や町の図書館なんかに置いてあったシリーズで、「世界の○○話」とか「日本の○○話」というタイトルで40冊以上刊行されていました。
「○○」には「楽しい」とか「不思議」などが入り、お話の内容で分類されています。「世界の〜」はタイトル通り世界各国の民話が入っています。国で分けていないため、かなりバラエティに富んでいるのが特徴。
民話や伝説などをシンプルな文体で簡潔に語られており、短編形式です。独特の絵柄の挿絵も雰囲気抜群だったのです。
小学生の頃、こわい話系だけ夢中で読んだ
小学生の頃、図書室にこのシリーズがあり、そこから怖い話系のものだけ借りて読んでいました。
お気に入りは「世界の恐ろしい話」と「世界のこわい話」。
「世界の恐ろしい話」の冒頭にある「ファウストの家」というドイツの話はかなり強烈に印象に残っており、最後まで描かれない悪魔の姿と主人公の青年がどうなったのかを想像したりして、勝手に怯えていました。
「世界のこわい話」にあるイングランドの民話「エミリーの赤い手ぶくろ」もなかなかに強烈。
手袋をなくした少女が魔法使いと噂されるおじいさんとの約束を破ったことで、恐怖を味わう話です。これがまた不気味な話で、ラストシーンの挿絵も相まってとても印象に残っていました。
子供向けと侮るなかれ
小学校中学年から高学年ぐらいを対象にしている本と思われますが、その内容はなかなかにグロテスク。簡素な筆致で淡々と語られるのがよけいに雰囲気を煽ってくるのです。悪魔関連の話が多いのですが、そこらの映画で登場する悪魔よりもよっぽど怖いです。
話の展開も、民話ならではの容赦のなさがあります。
老若男女、善悪にかかわらず、無惨な結末に終わる物も少なくありません。悪魔が登場する話が多く、それが無慈悲さに繋がって行きます。
どこにでもいそうな、特に悪人というほどでもない人物がちょっとした口約束で破滅する話も多いです。
言い伝えられている話というのは、極端にパワフルなのが面白いですね。
新装版が出てる!
この「民話と伝説」シリーズから、怖い系の話だけの本をまとめて新しく刊行されたのが「呪いの巻物」シリーズです。こちらは合計12冊。
世界と日本の「おばけ話」「こわい話」「ふしぎ話」「ゆうれい話」「怪ぶつ話」「恐ろしい話」です。
挿絵、文章もそのままで、新装版になっています。ラインナップで分かりますが、こわい話系は人気があったのではないでしょうか。わたしが小学生のころも、人気が高くてなかなか借りれなかったんですよね。
文章、挿絵、解説などの内容も昔のままで懐かしく読みました。今読んでも面白いクオリティですので、大人でも楽しめます。
古い物を図書館で探しても、かなり昔の本なので状態的にも残っていないんですよね。こういう本が新装版で今も読むことができるのは嬉しい限り。中身も当時のままというのがすごく嬉しいです。
こういう民話を読んでおくと、ホラーやファンタジーの知識が増えてより面白くなります。