小屋を中心とした森の中に突如閉じ込められた3人の男女。開かれた場所のはずの森から抜け出すことも敵わないという状況で繰り広げられるミステリーです。
超自然的な設定ですが、ジャンルとしてはミステリーの方が妥当です。
ネタバレを知らないで見た方が確実に面白いので、まだ観ていない方はこの先を読まずにまず鑑賞しましょう。
ネタバレを知らないほうが楽しめる映画ですので、まだ見ていない方はご注意!
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あらすじ
車のトラブルで立ち往生したサマンサ。夫が助けを呼びに行ったものの、一晩経っても戻ってきませんでした。
小屋を見つけたサマンサはそこで3日前から小屋にいるというトムと出会います。トムは車が事故ってしまい、この小屋に避難していました。
警戒していたサマンサですが、親切なトムの態度にだんだんと彼を頼りにするようになります。
翌朝、小屋の入り口にまた別の女性が倒れているのを発見し、サマンサは小屋の中に入れるのですが……。
トランス・ワールド
2011年 アメリカ
監督:ジャック・ヘラー
出演:サラ・パクストン、スコット・イーストウッド、キャサリン・ウォーターストン
※ネタバレ注意
森の中の小屋にたどり着いた3人のつながりは?
妊婦の若妻サマンサ、車が事故った若者トム、彼氏に置いて行かれたジョディ。
それぞれが不可抗力で迷い込んだ森は謎だらけ。
少しずつうちとけてお互いのことを知るほどに謎は深まっていきます。
最初はこの手の映画のお約束、「実は死んでました」オチかなと思ったんですがさすがにいい加減それを使う映画もありませんよね。みんなが夢で死に際みたいなものを見るので、そっちかとばかり。
観終わったあとに改めて見てみると、伏線が上手く張ってあります。
微妙に噛み合ない3人の会話がヒントになっていたりするのです。
お互いの過去の話のあたりで、勘のいい人はピンと来るかもしれませんね。
ネタが割れても予想外の展開へ!
3人が死ぬ運命を変えるために、というのは予想できましたが、そこで大本になる戦死した祖父を助ける、という粗い戦法に出るのは予測できなかったです。
彼を助けたら自分たちが消えてしまうかも……という可能性はフツーの映画だったらもめ事の種ですが、この映画に関しては割と簡単に受け入れられています。
一番消えそうなトムが「そんなの分かってるけど別にいい!」みたいなスタンスで必死に動くのがなんか泣けてきますね。キッツイ環境で育ってきたんだろうな、というのがうかがえます。
最終的に一番ナヨってたサマンサが、2人が消えてブチ切れ、親父を怒鳴りつけて防空壕へと導いていきます。
育ちのいいお嬢さんというイメージだったサマンサが、ここから抜け出すためというより、2人のために奮起するのはいいですね。実質娘と孫だし、助けるのは父親ですからね。
彼らは新しい未来を手に入れたか
ラストシーンで、やさぐれていないジョディがサマンサの元にいます。
優しい母親の元で育った彼女は、別の未来を手にしたということです。このままだとトムが産まれるかどうかは分かりません。
でも、トムはちゃんとジョディの子供として産まれてきそうな気がします。
あの場にいた人たちが幸せな人生を送れるように再挑戦したようなものです。問題をクリアした彼らは幸せな未来に進めるチャンスを得たと思いたいですね。
何より、トム一番がんばってたしいい奴なので、お母さんと暮らせる未来を手に入れて欲しい。
この場所は一体……?
おそらくはジョディが彼氏と強盗に入ったお店の店員と金庫が関係するんでしょうが、そこは説明されません。
オッサンが慈善事業的に誰かを救おうとしているのか、自分が死ぬのを回避しているだけなのかは分からないままです。女が変わってもろくでなしなままのジョディの彼氏の方をどうにかしないと、強盗に来るのは変わらない未来っぽいんですけどね。
謎は謎のまま……という感じでまとめたエンディングですが、なかなかの掘り出し物映画だと思います。
近隣レンタル店は全滅……入手は難しめ?
ジョディ役のサラ・パクストンはどっかで見た事ある……と思ったら、サメ祭映画の「シャーク・ナイト」の金持ち令嬢役の子でした。
トムの方はスコット・イーストウッドという名前でまさか……と調べると案の定クリント・イーストウッドのご子息。なかなかのイケメンです。
なかなか面白い、という評判を聞いて観てみたいと思ったんですが、近隣のレンタル店は全滅。取り寄せてもらいました。
そこまで古い映画ではありませんが、取り扱いをしているところを探すほうが大変そうです。
ダウンロード系には取り扱いがありますが、ソフトはこのまま入手困難作品になってしまいそうですね。