UFO関連にはつきもののアメリカの都市伝説を元にした人気シリーズ。トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスの噛み合ないコンビが楽しく、すっかりおなじみです。
トミー・リー・ジョーンズはこの映画のパロディ的なCMに宇宙人役で登場しており、下手をするとそちらの方がなじみ深くなっているため、取り締まる側になのがなんだか不思議です。こっちの方が先なんですよね。
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あらすじ
NYPDのジェームズは勤務中、驚異的な身体能力を持つ男を追いかけることになります。追いつめたその男は飛び降りて死亡。人間離れした男のことを話しても同僚たちは信じてくれません。
そこへ黒ずくめの初老の男が現れ、彼を連れ出します。必要なことを聞き出した後、男はジェームズに対し謎の光を見せ、彼の記憶を消し「明日ここへ来い」と名刺を渡して去っていきます。
ジェームズはそこで、意味も分からないまま試験を受けることになり……。
メン・イン・ブラック
1997年 アメリカ
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス、リンダ・フィオレンティーノ
※ネタバレ注意
ちょっと抜けたチープさがいい
1997年の映画だということにまず驚きですね。今だからチープに見える部分もあるかもしれませんが、この映画に関しては特撮やCGが古くなればなるほど味が出てきます。
人間社会にエイリアンが人知れず混ざっているという突飛な設定の上、よくよく見ればなんか変な登場人物も多数。気がつけば周り中エイリアンだらけ? みたいなことになっているのです。
ある種バレバレな擬態が面白かったりするんで、愛嬌のあるエイリアンが楽しいです。
あの有名人はエイリアン? な小ネタ多数
馬鹿馬鹿しい都市伝説をガンガン取り込んで作っているようで、セリフにもそんな小ネタがたっぷり入っています。
デニス・ロッドマンがエイリアンだったり、プレスリーは死んでなくて故郷の星に帰った、とか。さらにMIB本部の画面にエイリアンとしてスタローンが映っていたりと、気付くと「お!」なネタがちょくちょく挟まれています。
ベテランがめちゃくちゃな後輩から逆に学ぶ話かと思いきや
ベテラン&ルーキーの組み合わせだと、ベテランがルーキーを教育することになるのがセオリーです。
この映画はそのまんまで、観る側はJと同じ立場でKが説明する様々なMIBの秘密に驚かされることになります。
さらにありがちな話だと、ルーキーの新鮮な視点でベテランが救われたりするんですが、この話はそういう崇高なことはやりません。KもJもそれぞれの持ち味を生かした闘いかたをします。
Jはルーキーながらも持ち前の度胸や口のうまさであれこれ対処しますし、Kはベテランの貫禄満点で機転がききまくります。
凸凹コンビと言うのがピッタリの2人です。
ラストシーンでKはJにピカッをやってもらい、自分の人生に戻るわけですが、これでコンビ解消かーと悲しむことはないのです。だってガッツリ3作目まで作られているんですからね。そう簡単にKが引退できるはずもない……。
グロを上手く回避してお子様にも優しい映画に
安心して家族で見れる映画の筆頭ですよね。
SFアクションなんて、ちょっと油断するとすぐエログロが入るので(わたしはいいんですが)家族で見てると気まずさがすっごいですから……。こういう映画はある種貴重です。
よく考えればややグロな表現が多数ありますが、流血はナシ。人間の皮を着ているエイリアンが今回の敵なので、本当だったらかなりのグロ表現です。それがそう見えないように作られているので、まったく気になりません。
はっきり言って、何かに感動したり、人生を救われたりするようなタイプの映画ではありません。完全に娯楽に振り切った馬鹿馬鹿しさが全体に漂っています。
だからこそ大真面目なKに笑えてきちゃうんです。
何も考えずにダラーッとして観たいタイプの映画です。疲れてる時に最適。