1作目はめっぽう面白かったのに、一気に失速する2作目。
ストーリーはともかく、登場人物設定でしょうかね……?
マルコムは悪くない。マルコムの周りの人間が悪い……。
1作めとは毛色の違う展開にしたんでしょうが、なんかこう、全然のれない感じでどうしちゃったのー??ていうのが正直な感想です。
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あらすじ
ジュラシック・パークの事件から4年後。
パークの創設者のハモンドから呼び出されたマルコムは彼の邸宅を訪れます。ハモンドの会社だったインジェン社は甥であるルドローに奪われ、ジュラシック・パークの資料を運び出されていました。
ハモンドはパークの他に、恐竜たちを育てていた場所があることを明かし、その島をマルコムに視察して欲しいと依頼します。先遣隊としてすでに1人島に上陸しており、なんとそれはマルコムの恋人である古生物学者のサラだったのです。
恐竜なんて二度とごめんだと最初は拒否していたマルコムでしたが、サラの件を聞き彼女を島から連れ出すために承諾することになってしまいます。
しかし島にはハモンドが派遣した調査隊の他に、恐竜で一儲けしようと企むルドロー達の捕獲隊が入ってきていたのです。
ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2
1997年 アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ジェフ・ゴールドブラム、ジュリアン・ムーア、ピート・ポスルスメイト
※ネタバレ注意
今度はマルコム博士が主人公……だけど空気
ジュラシック・パークで登場した数学者のマルコムが主人公です。恐竜に酷い目に遭わされた彼はもう二度と関わりたくないと考えていましたが、恋人が引き受けてしまったがためにいかざるを得なくなってしまいます。
完全に巻き込まれ型で、今回彼ほど気の毒な人はいません。だってどれだけ忠告しても誰も彼の話を聞かないんですから……。
トラブルを引き起こすのは、主にマルコムと一緒にいるチームの面々。勝手に娘もついてくるしでほんとうに災難続きです。
改めて見ると、彼の主張はほぼ正論です。言う通りにしとけば良かったのに……ということが多すぎて可哀想になってきます。
対立構造がとても分かりやすいけど、どっちにも感情移入できなくて困る
恐竜を守りたいハモンド派遣のチームと、恐竜で儲けたいルドロー側のチーム、という大変分かりやすい構図です。一応ハモンド側になっているマルコムですが、彼は割と恐竜とかどうでも良いから無事に帰りたいだけですね。マルコムの反応が一番まっとうに思えるんですが、最初に書いた通り今回彼はかなり空気なので残念です。
ハモンド派遣側のチームには環境保護団体の過激派みたいなニックというカメラマンが同行しています。言うことは確かに真っ当だし義憤にかられて、というふうには見えます。しかしやっていることは状況を悪化させることばかり。
ルドローたちが捕まえた恐竜達を解放し、彼らの基地をめちゃくちゃにしたことで通信ができなくなってしまいます。さらに罠として利用されていたティラノサウルスの子供を連れ帰り治療しようとするなど、どう考えてもヤバいことまで「放っておけない」という理由だけでやってしまいます。
ルドロー側のやり方は確かに酷いですが、ニックのやり方も大概だと思えてくるんですよね。
結果ティラノサウルスに自分たちが襲われ、仲間のひとりが死に、あげくルドローたちに助けられるという皮肉。
通信手段を失ったために、ヴェロキラプトルがいるところを通過して古い通信施設まで行かなければならなってしまうのです。
それでもまったく悪びれることもありません。ティラノサウルスに追われている状況でローランドの銃から弾を抜き取ったりしており、やっぱりちょっと理解できません。
というのも、結局ヴェロキラプトルに襲われたら全力で闘うからです。マルコムの娘がラプトルを蹴飛ばして大けがさせるのは良くて、ローランドが襲ってきたティラノサウルスを殺すのがダメってよく分からない話だなと。
実際自分たちも対恐竜用の武器は用意していたのですから、恐竜より自分の安全の方が大事なはずなんですよね。
どっちかというとローランドの方がまだ自分の信念に基づいて動いているから、納得できるぐらいです。全体的にキャラ設定間違えた印象ですね。
迷惑な金持ち再び
ハモンドは相変わらず迷惑な金持ちで、ルドローの企みを察しつつそれを知らせずにマルコムたちを派遣するなど(ニックは知っていたけど)、相変わらず利己的です。
ラストで恐竜について語る彼がテレビに映りますが、なんかもう死ぬまで迷惑なんだろうなこの人、と思えます。
全体的にモヤッとした映画
とにかく終始モヤモヤさせられるのが本当にいただけません。
前作にあった清々しさもなく、恐竜たちのクオリティに感心するだけの映画と言ってもいいぐらいです。
変にメッセージ性を持たせずに、家族でわーっと楽しめる映画に突き抜けてくれた方がよっぽど面白くなったんじゃないでしょうか。1作目はそっち方向だったんですけどね。